

2022.3.11.
DCのアメコミヒーローの久々の登場に、期待度MAXで劇場へ。卒業式を終えたばかりの息子を伴っての鑑賞は久しぶり…。基本ひとりで観るのを常としているわたしですが、バットマンに対する思い入れが強いわたしの気持ちが、少しでも伝わればと考え一緒に鑑賞の場をつくりました。
今まで創られてきたすべての作品を観てきたわたし。もちろん全作品に満足した訳ではありません。正直これは無いよなぁ~~~って作品もありましたが、バットマンというキャラが大好きなわたしは、どの作品も受け入れファンとして追いかけています。そんな中から好きな作品をしいて上げれば、はやりティム・バートン監督のファンタジー感溢れるシリーズと、クリストファー・ノーラン監督が創り上げた「善と悪」の表裏一体のきわどい世界に強く引かれています。今作はいったいどんなBATMANを創り上げられたのか興味は尽きません。
さて、感想です。今までとは明らかに違う世界観に引き込まれ、その表現に無限の可能性を感じ、今後の展開に胸が膨らむ作品となりました。
物語はバットマンがゴッサムシティに現われた二年後という設定で創られています。ファンタジー感もスーパーヒーロー感もそぎ落とされた表現に、満足いかないファンもきっと出てくるであろうと察します。わたしは個人的には苦悩を抱えた人間味溢れた人物像に強く引かれています。今作は話題を呼んだ“ジョーカー”の流れをくんだ作品と、以前から言われていましたが、観てそれを確信しました。アメコミのヒーローものを通り超え、完全に人間ドラマとして創造され新しいバットマン像を創り上げています。圧倒的な強さを誇ってきたカッコいいバットマンの姿は影を潜め、過去のトラウマを抱えもがき苦しみながら戦うその姿は、とても痛々しくて観ていられないほど・・・。身も心もボロボロな状態の中で、自分探しをしているブルース・ウエイン(バットマン)が、なにかより身近に感じるそんな新しいバットマンになりました。CGやVFXを使った表現はもちろん使われバトルシーンは流石の演出表現になっていますが、ドラマ性が非情に強くヴィラン(リドラーやペンギン)の、とてもリアルな人物像表現なども深く掘り下げ表現しています。謎解きを仕掛けるリドラーの脚色も見事で、サスペンス作品を観ているような緊張感につつまれとても面白かったです。サイコスリラーの名作“セブン”を彷彿させるコンセプトは、今後のシリーズ化に強く期待が膨らむわたしです。
鑑賞後息子に感想を聞いたら、ちゃんと理解しているようでちょっとビックリ。今までの作品も観ていないし、どんな意見が聞けるかと思っていたのですが、しっかりと人物像に近づいた感想に「結構大人じゃん!」と見直しました。親が考えているより、こどもはちゃんと成長しているんだなと、いっしょに過ごしたわずかな時間で知ることができ、いい時間を持てました。これからこんな時間をできる限り持てたらと思っています。
P.S. 今回バットマン役に挑んだ、ロバート・パティンソンは人間バットマンをこの作品で創り上げ、今までとはまったく違うヒーロー像を生み出したことに拍手を贈ります。ヴィランたちもみな個性豊かで、アメコミのイメージはまったく感じられない表現になり登場しています。かなりヤバいリアルな犯罪者たちは、いったいこれからどんな挑戦をバットマンに仕掛けてくるのかが、ラストに凝縮されていていまからドキドキです。ペンギンは今回サブ的な立ち位置でしたが、このままなはずもないし、宿敵ジョーカーがいつ現われるのかにも眼が離せません。
※バットモービルが今まで登場したタイプとも異なり、リアルそのもの。息子はしきりにカッコいいと連発しておりました。実際にあってもまったく違和感のない車です。