

2021.12.03.
マーベルがはなつ異形のキャラムービー“ヴェノム”の第2作が公開されました。数あるマーベルのキャラクターたちの中でも異彩をはなつブラックヒーロー。もとはスパイダーマンの宿として“スパイダーマン3”で登場したヴィラン。個人的には好きなキャラとは言いがたいが、何故か観てしまう。どうしてこんなにキモイキャラをスーパーヒーローにのし上げたのかは、制作会社の権利移動などいろいろ深い事情があるらしい。映画界は何かと複雑です。それにしても人に寄生し、人を喰って生きながらえる地球外生物シンビオートの容姿はどう見ても悪そのもの。いくらマーベルファンでも、このキャラには流石にちょっと抵抗を感じてしまう。第1作ももちろん観ましたが、内容はともかくCGを駆使した映像表現は凄いと素直に感じます。他のヒーローものとは明らかに違う世界感が拡がり好き嫌いがはっきり分かれるのでは無いでしょうか?エディ・ブロックという敏腕ジャーナリストが表の顔で、そこに規制したシンビオートが時折顔をだす奇妙な演出で声もやや耳障りなノイズ調。映画全体のトーンも暗く、どちらかというとホラー色の強い表現になっています。エディ本人とヴェノムが入れ替わり立ち替わり交差しながら現われる表現は、ユーモアを交えた会話での和ませようと工夫していますがちょっとウザイ感じです。データに出ていましたが、この作品を観た観客は7割男性とのこと。さもありナン。この映画が好きな女性がもしいるとすれば、かなりのオタクか変わり者かも知れません。ちょっと言い過ぎました。悪気はありませんのでお許しください。まぁそれでも残虐なシーンをカット割りで上手にかわし、音響効果で想像させるなど気配りは感じられます。それを証明するのが、何故かR指定になっていないということ。そのあたりはやはりマーベル作品としての品格(一流のビジュアル表現)を守っているのかも知れません。この先どんな表現で繫げていくのかが見物です。私見ですが時空を超えた「ジキルとハイド」のような作品ではないでしょうか?映像や音響など最先端技術を駆使した表現は素晴らしいと思いますが、もう少し中身に厚みが欲しいと願うわたしです。エンドロールでチラッとスパイダーマンの匂いを残しているので、次回作を期待しています。さんざん悪口言っといて申し訳ありませんが、次回作も観ます。自分でも不思議ですが、これが性というものかも知れません。
P.S. 今作は主演のトム・ハーディが自ら脚本と製作に関わっています。この役に惚れ込んだのでしょうか?彼はどちらかと言うと悪役が多い。自身で好んで悪役を選んでいるのでしょうか?“ダークナイト ライジング”のベイン役や“レヴェナント:蘇えりし者”の存在感は、確かに印象に残る素晴らしい演技でした。アクターとしての今後の活躍を多いに期待したいと思います。