銭湯探訪52
荒井湯(墨田区・本所2)
2021.11.13新型コロナの感染拡大で自粛生活がはじまり、当たり前の日常が影を潜め不自由な毎日が続いた日々。コロナの波は第5波まで続き、ここへ来てようやく感染者数が沈静化。少しづつですが厳しい規制が解かれはじめ活気を取り戻しはじめました。
そこで長い間休んでいた「銭湯探訪」を、1年と8ヶ月ぶりに再開しました。休んでいたのは事実ですが、行きつけの銭湯へは毎週通っていたわたし。治まって来たとは言え、二の足を踏み控えていた「銭湯探訪」でしたが、ようやく気持ちを取り直しはじめることにしました。まだ遠くへは行きませんが、何とか近場でまだ行っていないところを捜し、今回は墨田区の「荒井湯」さんを訪ねました。我が家から自転車で約25分の、スカイツリーが目の前に聳え立つロケーション。下町情緒たっぷりの銭湯は、疲れた自粛のアカをすっかり洗い流してくれたわたし好みのお風呂屋さんでした。春日通りに面した吾妻橋近くの銭湯は、なにか懐かしさを感じる雰囲気の庶民のオアシス風。暖簾をくぐり玄関を開けると、番台こそないがおばちゃんが優しい笑顔で迎えてくれました。列をなし並ぶ脱衣所のロッカーと、その上に置かれた水槽と観葉植物がまず目に飛び込んできます。中には金魚やメダカが涼しげに泳ぎ、湯上がりの火照った身体を冷ましてくれるような演出がなされ、わたしの好みでポイントゲット。小さいが中庭のあり、ガラス越しに除くと鯉が泳いでいました。ここのご主人とは趣味が合いそうでなんだか嬉しくなりました。何時ものように体重計に乗り、そして浴場へと・・・。迎えてくれたのはダイナミックに描かれた北斎の「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」のペンキ画。富士山の絵は定番で良く目にするが、北斎の絵はなかなか観ない。墨田区は北斎生誕地として知られてはいるが、銭湯まで北斎をリスペクトしているのにはちょっとビックリ!でも今仁のかぶりそうな波の迫力は最高でした。湯舟は三層に分かれ、熱い湯・薬湯(44度)、バブル、ぬるい湯(そんなにぬるくない)となっており、自分好みでゆったりと入浴できます。やはり下町なのか、お客さんは地元のなじみさんのようである。若い人は余り見当たらない。いつものように1時間ほどお風呂を堪能し、2kg体重が落ちたのを確認。帰り道は次に来ようと思っている銭湯の場所を確認がてら、秋風をきってチャリを走らせ夕暮れの街を颯爽と・・・。