

2021.10.28.
頭を使わず娯楽に徹した作品、そんな作品と思い“GIジョー/漆黒のスネークアイズ”を鑑賞。馬鹿にしたような言い方になりましたが、悪意はありません。そう言う作品も必要と認めた上での発言です。“GIジョー”は今作で3作目。このシリーズもず~~っと観てきましたが、ヒーローものの中ではイマイチの人気ではないでしょうか?マーベルやDC作品と比べるとややエンタメ的に地味感があります。わたしはGIジョーというイメージをずっとミリタリーやアーミーといった軍隊ものを想像していました。そんな中映画化された“GIジョー”第1作を観た時、何じゃこれ???とまずビックリ。これは時代を反映させた新しいヒーロー像の進化なのかと、それ以上は深く考えず素直に受け入れ楽しむことに・・・。
それから2作目が公開され、そして今回第3作とシリーズ化は続き、これからどれだけ作品が創られるのかと鑑賞後やや不安を感じています。なぜそんな風に思うのかと言えば、いままで観てきたシリーズに一貫性を感じられないのが本音。もちろんそれ自体が悪いとは思いませんが、キャラクターを立たせる脚本や演出が構築されていないのと、魅力不足の側面がどうしても否めません。マーベルやDCのキャラたちは、どれも個性に溢れとても魅力的。比べるのは可愛そうですが、シンボル的表現が薄い上、ストーリーが軽い感じがします。そんなことを思いながら「何で?」と調べてみたら、GIジョーはもともと玩具メーカーハズブロー社が1964年に男の子向けに販売した着せ替え人形。当時人気のバービー人形を意識して、男の子向けに創られたものとのこと。コンセプトがあったのかは解りませんが、ストーリー性も時代の流れに安易に変わっていったように記述されていました。映画のキャラスタイルになったのは2009年ということだが、この時点でハズブロー社との関連はなくキャラ自体も映画には反映されていないとのこと。なんともよく解りませんが、結局のところ名前だけが一人歩きしてしまった、まったく別物と理解した方が良さそうである。
そんな訳でキャラクターイメージが構築されていないのが、中途半端なヒーロー像を創ってしまったようです。映画には登場するキャラは多いのですがメインの主人公は誰なのか解らない。そして1作目と2作目では俳優さんもほとんど入れ替えられ、とても違和感を感じました。1作目のメインキャラだった主人公が、2作目の初っぱなから死んでしまったりとかなりの無茶ぶり。敵・味方の色分けも微妙で何とも不思議なSFアクション映画では無いでしょうか?文句ばかり言って申し訳ありませんが、珍しく素直に受け入れることの出来ない作品となりました。
それでも今作はいままでの2作と比べれば、一番面白かったです。まず解りやすさというか、シンプルなストーリー展開になっていたのと、メインキャラを絞り込んで創られているというところ。GIジョーのメンバー“スネークアイズ”を立たせ、原点回避的(誕生)な物語にしたのと、敵(国際テロ組織コブラ)となるストームシャドーとの関係性が浮かび上がりいままでよりもずっと面白かったです。それと日本を舞台にした演出と忍者軍団「嵐影」の登場も悪くはなかったです。歌舞伎のような少し過度とも思える日本的表現はちょっと気になりますが、まぁ良しとしましょう。欲を言えばメインキャラ二人を演じた俳優さんにちょっとオーラが足りないかな?と言ったところ。頑張ってはいましたが、前回ストームシャドーを演じた、イ・ビョンホンがあまりに格好良すぎて頭にこびりついています。正直これくらいしか記憶にないほど、全2作の内容を覚えていないのが現状です。アッすみませんブルース・ウイルスが出ていたのも覚えています。とういうことで、シリーズと思わず鑑賞するにはまぁまぁだと思います。最後にひと言、忍者も国際的になったと良くも悪くも思えた作品になってます。あと吹き替え版しかやっていないのは、ちょっと不満が残ります。イメージが合っていたとは言いがたい感じです。
P.S. 今作品では“るろうに剣心”で派手なアクションシーンを手がけた谷垣健治氏が担当していて、刀を使ったシーンは流石でした。そこらは見所のひとつと言えるでしょう。