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よもやまシネマ565 “燃えよ剣”
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2021.10.25.

司馬遼太郎の名作“燃えよ剣”が、原田眞人監督の手で54年ぶりに映画化され公開されました。新型コロナの影響で公開が延期されていた作品は、1年という間をおきようやくわたしたちの前に・・・。
時代劇は数あれど、幕末期を描いたこの作品の面白さは群を抜いている。54年前にTVでやっていた栗塚旭主演の“燃えよ剣”が頭に浮かびいまでもしっかりと記憶が甦ります。細かいデティールは別にして、新撰組や土方歳三がなんてカッコいいんだろうと素直に感じていたあの頃。まだ子ども(小6)だったわたしは、歴史的意味も理解しておらず、ただチャンバラの殺陣に目が釘付けになっていた。その後TVでこの時代を描いた作品を多く観て、ものにより新撰組が敵として描いているものなど歴史の複雑な背景を知ることになり、この頃から本格時代劇のファンになりました。
さて、新作“燃えよ剣”の感想です。
岡田准一が演じる新撰組副長・土方歳三をメインにし構成された歴史絵巻は、2時間と少々の中にギュッと凝縮され、某TV局の「歴史ヒストリア」を観ているようなストーリー展開になっています。ただスケールはそれを遙かに凌ぐ表現となり、美術や衣装など拘り満載のエンタメとなり観る側を圧倒します。いままで多くの幕末作品に触れてきましたが、緻密かつ繊細に創り込まれた作品は群を抜く迫力に仕上がり感動です。いままでとは違った新撰組のイメージだったり、新しい人物像を紡ぎ出しあらたな魅力を感じさせてくれます。特筆すべきは登場人物たちの魅力を巧みに引き出す脚本の巧さ。出番の少ない人物にもしっかりとした演出が施され、もっとその人物を知りたいと思わせてくれます。なかでも勤王の刺客・岡田以蔵と土方の殺陣のシーンなどは、とてもリアルな表現が緊迫感に溢れ、命がけの戦いがとても魅力溢れるシーンとなっています。岡田以蔵を演じた村上虹郎くんはとても個性のある若手俳優さんですが、“るろうに剣心最終章”では沖田総司を演じていました。そのときもピタッとはまっていて格好良かったのですが、今回も短い出演場面ではありますが存在感をしっかりと残しています。俳優業とはこれだからきっと止められない仕事なのかも知れませんネ・・・。この映画は何と言ってもエンタメ性を最大限に描いた演出の妙味にあることは間違いないのですが、わたしは俳優さんたちの与えられた役を真摯に受け止めた演技の高さにとても感動しました。それぞれの持つ個性に焦点をあて、魅力を100%以上引き出した演出と脚本は、まさに原田監督の凄さではないでしょうか?隊長・近藤、副長・土方、そして薄幸の剣士沖田の、ちょっとユーモラスな会話の問答が殺伐感を柔らかく包み込み、とても良い感じに仕上がっています。三人の強い絆が浮かび上がり、羨ましくも思えました。沖田を演じた山田涼介くんの決して出しゃばらない凜とした男の姿は、だれからも好かれる人物像を浮かび上がらせる素晴らしい演技でした。村上くんといい、二人のこれからが多いに楽しみな逸材ではないでしょうか。はじめに触れましたが、新撰組はもとよりその時代に生きたひとたちの思い思いの生きざまが、とてもリアルかつシリアスに描かれた物語は日本が誇る魅了的題材。映画のところどころに、今風の演出が巧みに織り込まれそこらも見所のひとつ。鈴木亮平さんの演じた近藤が宴会のシーンで踊るダンスには、思わずほくそ笑んでしまいました。見所が満載の映画は、しっかりと幕末時代を映し出しそして歴史の重さをも表現した、とても素晴らしい作品に仕上がっております。ぜひ、劇場に足を運び確かめてみてください。
P.S. 新撰組の羽織が“るろうに剣心・最終章”と同じく、いままでの概念を払拭するデザインになっています。黒を基調としたデザインは剣心の時とも違い、隊士たちの生きざまが投影されたような重厚な出で立ちを創り上げとても素晴らしいと思いました。昔はダンダラ模様が象徴となり、新撰組と言えばこの模様とみな思っていました。最近解ったことで歴史学者による調べで、本当はダンダラ模様は隊士の下のものだけが身につけ、上層部はこの作品のように違うものを着ていたという事実が判明したそうです。時が経つと新たな発見が生まれ、それもまた歴史文学の面白さではないでしょうか?歴史はいまも動いているという、ことかも知れません。
by eddy-web | 2021-10-30 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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