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よもやまシネマ564 “最後の決闘裁判”
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2021.10.19.

間だが空いてしまいましたが、“最後の決闘裁判”の感想を上げさせていただきます。まずは前回愚痴を言わせていただき、すみませんでした。悪意あっての意見ではありませんので、どうかお許しのほど・・・。
さて映画について感想を記載支度思います。わたし個人としてはいろんな意味で、こころに残る作品になりました。中世という時代を背景にした作品はあまりお目にかからない時代ですが、そう言う意味ではもの凄く興味をそそられました。
中世時代を舞台にした作品で思い浮かべるのは「アーサー王」の物語。アーサー王はもとより、円卓の騎士のランスロットやトリスタンなどのキャラが有名で、わたしは中学の頃観た“キャメロット”という作品が妙に印象に残っています。ただアーサー王という人物が実在したのかは、いまだに論議されそのほとんどが伝説とされ創作とのイメージが根強い。
さて、今作はキャッチフレーズにも使われている、名匠リドリー・スコットが挑む衝撃の「実話ミステリー」との触れ込み。ミステリーというくくりが正しいのかは何とも言えませんが、主人公たちのこころの中が複雑で、観る側の感性により不可解な点が読み取れ何とも複雑な気分を味わうことになる。いまならそう重たくも思われていない、三角関係のもつれとも言うべき出来事を題材にした歴史物語とでもいう話。当時それは「世紀のスキャンダル」と言われ歴史をも変えたとされています。観て思うのは大変な時代だと思ったのと、やはり自由の制限が重くのしかかる、厳格さや尊厳の意味が問われる裁きの行方にこころが揺らぐ・・・。答えが出るが正しいのか、そうではないかは複雑な余韻を残し物語は終焉する。舞台は中世のフランス。時代とは言え、「神のみぞ知る真実」と答えをゆだね結論を「生死をかけた戦い」に託すという今の人には考えも及ばないものが描かれています。答えは勝った方が正義とし崇められ栄光を手に、負ければ例え命拾いをしても罪人と扱われ死罪となる。そして関わったものは偽証罪となり火あぶりの刑を受ける。ある意味男優先の時代を象徴し、今で言う忖度やプライドの火花が色濃く描かれて興味は尽きません。それにしても三人の主人公を演じた俳優さんたちの繊細で力強い演技が、この作品の質を高め重厚感のあるものに仕上げています。俳優さんたちに拍手です。ヒロイン・マグリットを演じたジョディ・カマーは、美しさだけでなく繊細な感情表現が見事に演じおんなのしたたかさをもみせています。また、生死をかけた決闘裁判に挑む二人の男を演じたマット・デイモン(騎士カルージュ)とアダム・ドライバー(旧友カルージュ)の存在感も素晴らしいものでした。まったく反する性格を互いに創り上げ、火花を散らす。男の時代とは言え、互いプライドとプライドがぶつかりあい今の女性たちから観たら、ある種滑稽ともとられる行動が物語の根幹となっている。男って「馬鹿ねぇ~!」なんて・・・。でもこんな時代もあったという事実の方が恐いと思いませんか?アダム・ドライバーはとくに印象に残りました。個性的な容姿でいろんな意味、出演作はすべて印象に残っているものばかり。今作でもわたしには一番存在感を残す演技になりました。美男として物語りの中では描かれていましたが、確かに中世という時代にあった容姿かも知れません。知性を醸しだし、そして内に秘めた純粋な愛と野望は、人を引きつける毒を秘めていて魅力的。これからもきっと活躍するに間違いありません。楽しみな俳優さんのひとりとして、今後も大きな期待をしたいと思います。
P.S. リドリー・スコット監督の作品は久しぶりでしたが、やっぱりレベルの高いものになっていて流石でした。美術や舞台演出、そして衣装など沢山の見所があり拘りを沢山感じることが出来ました。こういう人を日本では“匠”と呼ぶのでしょう。


by eddy-web | 2021-10-26 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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