2021.7.16.
綺麗な女優さんや可愛い女優さんは数多といるのだが、気になる女優さんというのはそうはいない。今日ご紹介する映画“プロミッシング・ヤング・ウーマン(前途有望な若い女性)”の主演女優さんは、わたしの中では今一番気になる女優さん。彼女の名はキャリー・マリガン。観る度に違う顔を見せ、そして惑わせる。好きな女優さんは沢山いるが、彼女ほど内面から湧き出る得体の知れない魅力に溢れたひとはそうそう出会えない。ふだん映画の話をする度、作品に出てくる女優さんを大好きだとか何時も言っている自分。さぞやみなさんは、ポリシーのない奴とおおもいでしょう。まぁ、嘘はついていないのですが・・・。ただの「ミーハーで女好きなだけの男」と思われている・???映画を観ると主人公にこころを奪われ、すぐ好きになるところがあります。女優さんと言うよりは主人公にひかれている自分がいます。みなさんもそういうことありませんか?わたしはそんなのばっかで、だから好きな女優さんだらけになっています。話が違う方向に行き始めたので元に戻します。
キャリー・マリガンとはじめて出会ったのは、以前[「大好きな映画」で紹介した“わたしを離さないで”という作品。ノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロ原作のSFミステリー。この時の衝撃はいまだ胸に刻まれ、思い出すと胸が苦しくなる。彼女の演じたキャシーの運命を受け入れ、最後まで自身の生まれたことの意味を問い続ける姿に強く心ひかれました。その後も作品に出る度、まったく違う表情を見せまるでカメレオンのように役を変え演じてみせてくれました。ちょっと垂れ目でキュートな感じだが、反面コケティッシュな部分が時折顔を出し男たちを惑わせる。童顔なのだが多彩な表情の変化に、ほっとけないそんな気持ちにさせてしまう小悪魔的な女優さん。
そんな彼女が演じた今作品“プロミッシング・ヤング・ウーマン”のキャシー。まさにうってつけのキャスティングと言っても過言ではありません。聞くところによるとキャスティングの段階で脚本を読んだ彼女が「自分以外の人がキャシーを演じると思うと不安と怒りがこみ上げてきた」と言ってます。この言葉に集約された演技が、まさにこの作品で味わうことが出来るのです。物語は真夜中のクラブで酔いつぶれた女性の怪しげなシーンからはじまる。そこには彼女の背負う哀しい復習劇が・・・最後の最後まで予測不可能な展開となっていて、見終わると何とも言えない虚しい気持ちがわき上がりぽっかりとこころに穴が空いた感じになるのはこれで何回目になるのだろう。彼女の演じた作品のほとんどが、いつもそんな感じを残しなかなかモヤモヤが晴れない日常が続いてしまいます。わたしにとっては罪作りな女優さんのひとりです。この作品は、今年度のアカデミー賞に5部門でノミネート。残念ながら主演女優賞はフランシス・マクドーマンドの手に渡りましたが、キャリー・マリガンが手にする日はそう遠くない気がします。作品評価は素晴らしく、脚本賞を受賞し監督と兼務のエメラルド・フェネルは第1作目の監督にもかかわらず、将来を期待される女流監督として高い評価を受けました。まさに映画のタイトル“プロミッシング・ヤング・ウーマン”を地で行く作品を創造してみせてくれました。この監督さんにも今後注目です。ともあれ、観て損の無い作品とはこれ!見終わってちょっと引きずってしまう内容ではありますが、かなりのインパクトです。キャリー・マリガンの魅力が溢れている作品になっていますので、その魅力に触れてみていただけたら幸いです。まるでマネージャーみたいなコメントでm(_ _)m
P.S. “わたしを離さないで”“華麗なるギャッッビー”“ワイルドライフ”と彼女を観てきたが今作品は、彼女の持つ才能が咲き乱れ引き込まれました。キャリア最高の評価と称賛されている作品ですので、彼女を知らない人にはぜひ観ていただきたいそんな1本です。