

2021.7.5.
待ちに待った映画“ゴジラvsコング”が公開されました。梅雨空の合間をかいくぐり、映画館へ。ハリウッドが1998年に発表したはじめの「GODZILLA」を観た時、「なんてことをしてくれるんだ!!」と怒りさえ覚えた自分。ゴジラのポリシーを完全に無視した巨大なトカゲを見た瞬間、声さえ失ってしまいました。前にも書きましたが、1954年生まれのゴジラはわたしの同級生。そんなこともあり、人一倍強い思い入れがわたしの中にある。日本の宝を汚された気さえし、ハリウッドの力を持ってしてもゴジラを創造するのは無理なのかと…?その年、この作品はゴールデン・ラズベリー賞最低リメイク賞を獲り、ファンのみならず世界中から非難をあびました。それからはしばらくゴジラのことを考えないようにし、日本映画に復活の期待をこめ、じっと我慢の日をおくりました。
歳月は過ぎ2014年、再びハリウッド(ワーナー)が制作に取り組み「GODZILLAゴジラ」を発表。正直1998年のこともあり、まったく期待をしていなかったわたしですが、見事期待を裏切られる(良い意味で)出来映えのゴジラ誕生を目にしました。技術力だけに頼らない、そこには「ゴジラ」に対するリスペクトを感じさせる、しっかりとしたメッセージが写しだされ、こころのモヤモヤがぱっと晴れた瞬間が訪れました。作品を手がけた監督がゴジラの大ファンということを知り、そこが一番重要なことだとあらためて感じることになりました。愛がないと、良い作品は生まれません。その後監督は替わってもゴジラ愛は継承され、今回第3弾となる“ゴジラvsコング”と相成りました。第2作“ゴジラ/キング・オブ・モンスター”も、宿敵キングギドラや盟友モスラの登場でファンを大いに楽しませてくれたハリウッド。今回は米国が生んだモンスターヒーロー「キングコング」を、登場させ、どんなバトルをみせてくれるのやら…。期待はMAX状態での、鑑賞である。
破壊神対守護神と銘打たれた2大怪獣の戦いに、観る前からワクワクドキドキが止まらない。昔観た東宝作品「キングコング対ゴジラ」のその時と同じ想いが何故か蘇えりました。想像以上の出来映えに、久しぶりの高揚感を味わうことが出来、大満足。変わらないゴジラへのリスペクトが随所に鏤められ、その上オリジナリティ溢れる演出がゴジラの新しい世界を創り上げ、鑑賞後に余韻をず~~~っと楽しむことが出来ました。ゴジラはやっぱカッコいいです。ネタばらしにならないように触れますが、ゴジラとコングの互いを認め合う、そんな表現がたまらないほど愛おしく目頭が熱くなった作品です。ファンはもちろん観るべし!!そうでないひとも、是非観てください。まだまだ謎の多いゴジラの今後に目が離せません。
P.S. さまざまな場面で、東宝作品「キングコング対ゴジラ」の場面をリスペクトしたシーンが登場します。そんなのを見つけ楽しみながらの鑑賞もいいものです。タイトルが“ゴジラvsコング”となっているところなんざ、まさにリスペクトの、なにものでもありません。日本でゴジラ映画はもう創れないのでしょうか?庵野秀明監督が創った“シン・ゴジラ”はハリウッド版とも違い、とても斬新で素晴らしい作品でした。ここにも監督のゴジラ愛が溢れていて、そう言うこころを持ったひとに、ぜひゴジラ作品のメガホンをとって欲しいと願うわたしです。