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よもやまシネマ544 “クワイエット・プレイス/破られた沈黙”
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2021.6.18

洋画の公開がコロナ禍の影響で絶対数が少ない中、やっと公開された作品“クワイエット・プレイス”を鑑賞。久しぶりの洋画に変な高揚感さえ感じ、劇場に足をはこびました。
前作を観ているので、ある程度の予備知識を持っての鑑賞である。以前にも触れたことのある話題ですが、シリーズものの難しさは賛否が分かれるということ。近年はシリーズものもい一話完結のスタイルが多くなり、はずすケースは余りありません。さて今作はどうでしょう?
前作の話ですが、かなりの低予算で創られた作品にもかかわらず大ヒット。新感覚の体感型サバイバルホラーとして話題になりました。劇中はほとんど会話のシーンがなく、まるで無声映画を観ているような感覚になります。ただ、観ているとその音のない世界に、どんどんとはまっていくことになってしまう。どこから来たのかも解らないクリーチャー(異星物)が、音に反応して人間を襲うという仕掛けは今までに無い恐怖感を味わうこととなりました。心臓の弱いひとには身体に毒の作品であることはまず言っておきましょう。2作目の今回は、それが解っているにも関わらず何度ももんどり打ってしまいました。そう言う意味では刺激的な映画となっています。ひとが目の前から突然「ふっと消える瞬間!」。こんなに恐ろしいことがあるでしょうか?音を立てられない状況を想像すると、身体がこわばり息が苦しくなります。映画の呪術にまんまと掛かり、鑑賞中はず~~~っと硬直状態になります。解っていてもそうなるのは、わたしが単純だからでしょうか?それにしても気持ちの悪いクリーチャー(怪物)です。有名どころのクリーチャーと言えば真っ先にあがるのが「エイリアン」そして「プレデター」など・・・。異形の形態は気持ちの悪さを通り越し、見方を変えれば芸術の域。映画ファンだけでなく、クリエーターたちからも称賛される品のあるクォリティーの高さです。それと比べると動き等も含め、本当に気持ちが悪い生き物です。こんなのが目の前に現われたら、たとえ良い奴でも身構えてしまいます。これだけ嫌われたら、悪役としてはもしかしたら一流ってことですか?
ちょっと話が混乱してきたので、作品に話を戻しましょう。主演のエミリー・ブラント(母親をエヴリン)はじめ、登場人物は限られていますが、緊張感溢れる場面の連続で息を飲むとはこういう体験を言うのではないでしょうか?今作のテーマはクリーチャーと人間の戦いを描いているのですが、コンセプトは「家族愛」そして「成長」であることが解ります。人間の弱さや強さが感性豊かに描かれ、怪物を除けば人間ドラマそのもの。子どもたちの俳優さんたちが、素晴らしい演技で、大人たちを喰ってしまっています。もちろん脇が固まっているからこその、演技であることは見て取れますが・・・。長女リーガンを演じたミリセント・シモンズが秀逸です。前作も感じたことですが表情が豊かで、実に繊細な演技をみせてこころに届きます。作品の中で聾唖者の役をしていますが、彼女は本当の聴覚障害を持っており手話を使っての演技で絶大な評価を得ている若手女優さん。個性的な顔立ちと愛くるしい瞳がとてもキュートな女性。きっとこれからも活躍する女優さんになることでしょう。本当に素晴らしい演技でした。長男マーカス役のノア・ジュプ、そして友人エメットを演じたキリアン・マーフィも感情表現が見事でグイグイと観客のこころに入ってくる名演技でした。少ない予算でもこんなに緊張感溢れる作品ができるという見本のような作品ではないでしょうか?ドキドキしたいひとは即、劇場に・・・。
P.S. 前回劇中で亡くなった父親リー役のジョン・クラシンスキーですが、前作の映像で少し顔を出しています。この作品は彼が監督・脚本・制作として関わり今作も引き続きメガホンをとっています。そして主演のエミリー・ブラントとはご夫婦。前作では脚本を読んだ彼女から、母親エヴリンをやらせてと言ったと報じられています。プロとしての気持ちと夫婦の絆が生んだ作品として観るのも一興かと思います。


by eddy-web | 2021-06-20 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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