

2021.2.15
今日紹介する作品は“セブン”。1995年公開の作品は、ブラピとモーガン・フリーマンが共演したサイコサスペンス。そのラストの衝撃は、観る者すべてを 驚愕させるもので今もなお記憶に残る作品です。キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、それを追う血気盛んな新人刑事と退職間近 のベテラン刑事にスポットをあて物語は展開する。この作品のファンはきっと多いはず・・・。映像表現が独特で内容に特化したセンスの良さと、ノイズを活用した音 響効果により、シリアスで奥深いダークな世界感を創り上げています。特に映像は銀残しという特殊な現像方法を使い、コントラストの強い表現になり雰囲気の ある画像に仕上がっています。
“リバーランズ・スルー・イット”で高い評価を得たブラピがそのあとに出演した作品ですが、本人曰く、この映画で自 身の演技の幅が広がったと語っています。確かに観ればなるほどと言える演技で、モーガン・フリーマンを相手にインパクトのある存在感を示しています。殺人 現場のリアルな表現があまりに不気味で目を覆いたくなる作品でしたが、最後まで息のつけない物語となっています。ところが思わぬ展開がおこり、ラスト近く で犯人が自首してくる。観客はえっ!まさかこんな終わりはないだろうと、思った瞬間の大どんでん返し。この衝撃は映画史に残るラストでは無いでしょうか? 見終わった後の何とも言えない不快感はしばらく続き、そう言う意味でもこころに刻まれる一品です。
個人的な感想ですが、同じ1991年放映のTV ドラマ「沙粧紗子 最後の事件」などその後創られた日本の刑事ドラマには結構影響を与えた作品ではないでしょうか?ラストの表現はとても重要な映画のポイント。それによって 忘れることの出来ないものになるということを、証明したような作品では無いでしょうか・・・。
P.S. “エイリアン3”でデビューを飾ったデ ヴィッド・フィンチャー監督の第2作目となったこの作品は興行的にも評価も高く大成功を収め監督のさらなる飛躍の第一歩となりました。あとで知ったのです が“エイリアン3”では多くのトラブルに見舞われた上、失敗作の烙印が押され監督はしばらく映画制作から遠のき「映画を撮るくらいなら大腸ガンで死んだ方 がまし」と言っていたそうです。そんな経験を経てフィンチャー監督は、完全主義者と呼ばれるようになり、時に俳優さんに100回以上のリテイクを出す拘り の人になったそうです。
シリーズもの中では“エイリアン”はみなそれぞれに面白いエンタメだとわたしは思っています。プレデターと絡み始めてからは、正直チョット・・・て感じにはなりましたが。