

2021.5.18
自粛中につきBestチョイス編から、今日紹介する作品は“追憶”。この作品が心に残るのは映画もさることながら、物語を印象づけるテーマ曲の旋律とその詩のもつ美しさにほかならない。映画音楽は作品とは切っても切れない関係なのは事実。名画と呼ばれる作品には、必ずと言って良いほど美しいテーマ音楽が寄り添うもの。前回紹介した作品“禁じられた遊び”もしかり・・・。“追憶”は1973年の作品で、主演したバーブラ・ストライサンドが自ら歌い上げその年のアカデミー歌曲賞を受賞した名曲である。彼女の歌唱力は折り紙付きで、その哀愁を帯びた歌声は胸に染み瞼が思わず熱くなる。物語のすべてを凝縮したような、切ないこころの動きを表現した美しくも儚い愛の彷徨を紡がれている。物語は第二次世界大戦をはさみ、熱い時代に生きた二人の男女が経験する出会いと別れが描かれています。理想主義思想に傾倒する頑固な女性ケイティと政治的主義に捕らわれない考えをもつハベル。信条が正反対の二人だが、なぜかひかれ合い互いの生き方を認め合い結ばれる。時代に翻弄されながらも、それぞれに自分の生き方を貫く男女の葛藤が鏤められ観る側をやきもきさせる。互いに尊敬し愛しあっていても、訪れてしまう別れの時。だれもが一度や二度は経験する切ない想い出が蘇る胸を熱くさせる。そこに流れるテーマ曲は、聞いた瞬間に涙腺を緩める効果を生みラスト近くの抱擁シーンでは、涙がダダ漏れになります。ハベルを演じたロバート・レッドフォードが元祖イケメン俳優の頂点と言っていいハリウッドの顔(^_^)/。あんな優しい瞳に見つめられたら、誰だってメロメロになること間違いなし。カッコいいを通り過ぎ、もはや神々しささえ感じます。現在84歳。いまだ現役を続け俳優、監督、プロデューサーと多彩な才能を遺憾なく発揮するまさにレジェンド俳優の代表である。かたやケイティを演じたバーブラは現在79歳。彼女も多彩でレッドフォードのキャリアに+歌手、そして作曲家としても知られている。「天は二物を与えず」を完全否定する二人の才能はは唯一無二の存在だある。デビュ-作“ファニーガール”でいきなりオスカーを手にし、その後エミー、ゴールデングローブ、トニーと名だたる賞を総なめにしている。こんな二人が創り上げた作品は、永遠に借り継がれる作品のひとつではないでしょうか?ぜひ一度ご覧あれ・・・。
P.S. 20代の頃、彼女の声と歌唱力の素晴らしさに当時夢中で、いまもアルバム(レコード)を大切に保管したまに聞いています。美人とは言えない彼女ですが、内面から溢れでる美しさはどんな女優さんにも感じない素晴らしいもの。願わくば、またスクリーンでお会いしたいものです。