

2020.12.03.
「安楽死」をテーマにした推理小説が原作の“ドクター・デスの遺産”を鑑賞。映画は同タイトルだが原作とは一部異なる表現となっています。原作は終末医療のあり方「生きる権利と死ぬ権利」の相反する当事者たちの念いと苦悩を背景に描かれている推理小説。答えを出すことの難しさを投げかけ、もし自分が当事者ならと考えさせられる。「命の尊厳とは」を問いかける難しいテーマに挑んだ社会派ミステリー映画は、いったいどんな世界を見せてくれるのか?期待は膨らむ・・・。
さて、感想ですが・・・。正直なところTVドラマの域を超えていないと感じました。TVを馬鹿にしている訳ではないので、誤解のないようにお願いします。それとせっかく倫理上難しいテーマにしているのに、その部分はあまり突っ込んでなく刑事ドラマ風の表現が強く出過ぎていたように思います。そう言う意味では単調な映画になっていたように感じます。犯人は意外とあっさりと浮かび上がり、ワクワクドキドキする感覚には至りませんでした。その昔、浅野温子主演の刑事ドラマ「佐粧紗子-最後の事件-」はまってしまったことがあります。オカルト風に描かれた表現は実に見事な演出で、息も尽かせぬ展開が繰り広げられラストはエッと思わせる映像を提供し、次週までのお預け状態がたまりませんでした。いろいろなゲストが入れ替わり立ち替わり出演し、それもひとつの楽しみになりこれほど早く観たいと思わせる作品はありませんでした。殺人現場の表現が美しくシュールで、これも大いに感性を刺激し芸術性の高い作品だと記憶しています。TVドラマを超えた作品だったと、いまも大好きな作品となっています。話しがそれましたが、“ドクター・デス”にはその辺の期待をもって臨んだので個人的には満足感を得ることが出来ませんでした。また、話しがそれますが、「尊厳死」を取り上げたNHKのドキュメンタリー作品を1年ほど前に観たことがあります。日本では認められていない事実ですが、欧米の1部国では行われているところがあるのはご存知かと思います。その作品はALSにかかった女性がスイスに出むき、自らの尊厳死を臨むものでした。なにも言葉にできないほどの深く考えさせられる映像はTVの前に正座をし、ただただ涙を流すばかりの自分がそこにいました。答えの出ないテーマではありましたが、自身に置き換えもっと真面目に一生懸命生きないと罰が当ると本気で思いました。これはいまも変わらない気持ちです。そんな記憶もあり、刑事ドラマ色がちょっと強かった今作“ドクター・デス”に、物足りなさを感じてしまいました。もっと突っ込んで患者側のことを描いても良かったのでは無いでしょうか?生意気な意見ですが、これが正直なわたしの気持ちです。主人公の刑事・犬養を演じた綾野剛さんのファンなので、それだけでも、もちろん満足ですが・・・。そして相棒役・高千穂の北川景子さんも格好良かったです。こんなに綺麗な刑事さんなら、捕まりたいと思う男は多いはず(ゲスなコメント)。いるはずありませんが???綾野くんも北川さんも、立て続けに映画に出演している情報を掴んでいます。次回作楽しみにしています。
P.S. 「突撃!カネオくん」でアシスタントをしている田牧そらちゃんが犬養のひとり娘役で出演していましたが、存在感のある役をきっちしこなし涙を誘います。これから楽しみな女優さんです。