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よもやまシネマ513 “MOTHER マザー”
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2020.7.31
 
めちゃくちゃ気になっていた映画“MOTHER マザー”を、観てきました。その昔(2010年)同じタイトルのTVドラマ「Mother」があったことは知っている方も多いはず。幼児虐待がテーマのその物語は、当時ニュースに度々あがる事件を題材に完全オリジナル作品として創られ話題に・・・。また出演者のみなさんがみな高い評価を得、俳優としてのちにブレークする切っ掛けとなりました。中でも子役の芦田愛菜の演技が話題呼び、5歳にして末恐ろしい俳優になると絶賛。確かにその演技力は本物で、幼くしてその名を多くの人に知られる俳優となりました。
話が脇にそれました、映画に戻しましょう。今回観る切っ掛けとなった“MOTHER”のキャッチフレーズがある。「すべてを狂わせる、〈この女〉聖母か怪物か。」である。この作品は実際に17歳の少年が起こした、凄惨な祖父母殺害事件に着想を得て創られた物語。近年社会問題として度々話題となる、幼児虐待や育児放棄、そしてDV。これらの匂いが感じられる話題作に、わたしは引き寄せられるように劇場へと足を運んでいた。率直な感想を言いますが、何か後味が悪い救われない感覚が全身に覆い被さり迷路に迷い込んでしまいます。この母親をどう捉え理解したら良いのか、まったく答えが導き出せません。きっと観たひとの100%に近いひとが、この女を嫌うことでしょう。しかしこの母親を唯一愛おしく見放せない少年が、この作品には描かれ観るひとに「どうして・・・。」と思わせてしまうのです。最悪の後味の悪さとなる作品は現実なのかも?なんともやるせないのだが、これが繋がり(血)というものなのかと考えさせられる。良い意味でよく“絆”という言葉が使われるが、作品で描き出された歪んだ愛の形もまた、”絆“なのでしょうか?この関係はまさに当事者である、この親子にしか解らない世界なのかも知れません。今回このブログを上げるのに3日も開けてしまいました。安易に書けるようなテーマでは無かったことと、先ほど上げたTVのMatherや似たテーマの是枝監督の”誰も知らない”などを思い浮かべ、親子とはと、いろんな意味で考えてしまいました。しばらくは引きずってしまうだろうと思う、私です。個人的に物語の中に救いがあるとすれば、少年の中にある守るべきひとがいるということくらい。守り方が間違っていたとは思いますが・・・???
出演者のみなさんの存在感がハンパありません。ヒステリックに発せられる言葉の数々に圧倒され、嫌~~ナ気分にどんどんなっていく自分がいます。こんな環境の中で育つ精神状態は想像を絶するものに違いない。こんなことって本当にあるんだろうか?と目を疑ってしまう。母親・秋子を演じた長澤まさみの汚れっぷり、そして息子周平を演じた新人・奥平大兼くんの己を押し殺した演技はほんとうに凄かったです。俳優生活20年を迎えた長澤まさみは完全に孵化したと呼べる圧巻の演技です。昨年の日本アカデミー助演女優賞は、間違いの無いことと確信します。“世界の中心で、愛をさけぶ”の彼女がこんな風になるとは想像も出来ませんでした。そして何と言っても新星・奥平大兼くんですが、彼が放つ無限の可能性が画面からほとばしっていました。凄い新人が現われたと感じます。芦田愛菜ちゃんや柳楽優弥くんのように、存在感のある俳優さんになると信じてやみません。阿部サダヲの駄目っぷり、木野花さんの切れっぷり、どちらもお見事でした。真に迫っていて思わず身が引けてしまいます。すごい役者さんだと実感しました。もうひとつ、幼年期の周平を演じた郡司翔くんと妹・冬華を演じた浅田芭路ちゃんもすごく自然で頑張っていた(きっと恐かったこともあるだろう)と、拍手です。
最後にどうしたら、こんな自分勝手で自堕落な母親が生まれてしまうのでしょうか?この母親もきっと幸せでは無かったのでしょうね!きっと・・・。みなさんはこの作品で何を感じるのでしょうか?良くも悪くも観て損の無い作品ではないでしょうか?
P.S. 劇中主人公の少年が妹に読み聴かせている絵本があります。わたしも大好きな「100万回生きためねこ」という名作。この本のファンはきっと多いと思います、わたしは大泣きしてしまった絵本のひとつ。輪廻転生を繰り返してきた一匹の猫が最後に本当の愛を手にするという物語ですが、このアイテムを物語の中に埋め込んだ監督のこころが少しだが理解出来るような気がします。

by eddy-web | 2020-08-04 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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