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よもやまシネマ512 “ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語”
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2020.7.16

ようやく落ち着いて来たかと思っていたら再び感染者数増大のコロナ。いつまでこんな状況が続くのでしょうか・・・。
そんな中後ろめたさもありましたが、見逃していた新作映画“ストリート・オブ・マイ・ライフ”を観て参りました。1868年に発刊された名作「若草物語」を映画化し、昨年のアカデミー賞に6部門ノミネートされ、うち衣装デザイン賞を獲得。このあたりを意識して観るのも、また違った楽しみ方ができる。古典的作品で今まで何度も映画や舞台になっています。わたしの記憶ではリバイバルで観た1949年公開のマービン・ルロイ監督による映画“若草物語”が頭に浮かぶ。70年も前の作品だが、往年の大スターが顔を揃えたそれは当時のわたしには女優陣の顔ぶれにただ圧倒され内容はあまり印象に無いのが正直なところ。原作はルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説でピューリタン(キリスト教プロテスタント)のマーチ家の四姉妹を描いた物語である。一作目の後、第四作まで描かれ主人公の四姉妹の次世代まで続いている。
今回は第一部と第二部が中心となった話しでまとめられ、次女ジョー(オルコット自身)の目線で描かれ過去を振り返る形で現在とマッチングさせかなり入り乱れた構成となっています。しかしそれが今までに描かれた作品とはひと味違い、印象深い演出となり新鮮である。監督は女流監督のグレタ・ガーヴィングで、主演のシアーシャ・ローナンとは“レディ・バード”に続き2度目のタッグ。二人は前作“レディ・バード”で高い評価を獲、映画評論家集積サイトで支持率100%を記録した希有な作品と言われています。こんな情報を入れつつ望んだ鑑賞は、改めて古典と呼ばれる作品の重みというか歴史を越えて伝わる名作の凄みが証明されていました。こういう風に名作と呼ばれ何度も映画化されている作品は、創る方も覚悟がいるだろうし、ましてや世界的小説ともなればかなりのプレッシャーのはず・・・。しかしガーヴィング監督は見事にその壁を乗り越え、新たな“若草物語”を見事創り上げてくれました。正直あまりこの手の作品は観ない方なのですが、今回はしっかりと物語を堪能し記憶に焼き付けることができました。出演している俳優さんたちがみな、それぞれの役を丁寧かつ大胆に演じ物語に深みを与えています。主役のジョーを演じたシアーシャ・ローナンの生き生きとした演技は、女性が持つ「強さと弱さ」の表裏を見事に演じ分観客を引きつけます。また、四姉妹を演じた三人(長女メグ/エマ・ワトソン、三女ベス/エリザ・スカンレン、四女エイミー/フローレンス・ビュー)が、これまた素晴らしい演技でぴったりのはまり役。いままで沢山のキャストが演じてきているようだが、原作のイメージではダントツの一位のBESTキャスティングでは無いでしょうか?勝手なわたしの評価ですが・・・。慈愛溢れるお母さん役のローラ・ダーン、そして現実に厳しい叔母役のメリル・ストリープと脇も固く欠点が見つかりません。役者さんたちがここまで完璧にそれぞれの役をこなしていれば、自ずと良い作品が生まれるという証的な作品ではないでしょうか?このような教科書的作品が苦手なあなたも、騙されたと思って観てはいかがでしょう。女性向けと言えばそうですが、歴史や当時の生活にふれる良い機会にもなっています。とくにアカデミー賞を獲得した衣装は、とても美しく女性にはたまらないかも知れません。
P.S. 勝気な四女を演じたフローレンス・ピューがとても気になっています。今回この作品でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ注目されている若手俳優のひとりですが、なにか不思議な魅力を感じています。昨年公開されたホラー映画“ミッド・サマー”で主演したばかりなのですが、その時とのギャップが半端なく、さらにこの夏公開の“ブラック・ウィドウ”の妹役で立て続けに出るという・・・。作品によりこんなにも変化する人に出会ったのは久しぶり。“ミッド・サマー”はわたしが酷評した作品ですが、それはあくまでも苦手(グロい表現)ということで、作品の出来や彼女の出来を悪くは言っておりませんのでいまさらですが誤解無きよう・・・。


by eddy-web | 2020-07-20 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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