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よもやまシネマ511 “ランボー/ラスト・ブラッド”
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2020.6.26

4月3日以来の新作鑑賞に行って来ました。新型コロナ感染防止の緊急事態措置により、臨時休業していた映画館が一部緩和によりようやく再開。それでもなかなか足が向かない自分でしたが、気を取り直しやっと再開の第一歩へ・・・。
そして選んだ作品が“ランボー/ラスト・ブラッド”。3ヶ月近い自粛生活でたまった欲求を吐き出すのに選んだのは、偶然公開日だった理屈抜きに楽しめるアクション映画。“ランボー”と言えばシルヴェスター・スタローンの人気シリーズ。“ロッキー”シリーズと合わせスタローンの代名詞といえる作品である。どちらもファンが多く、抜群の人気を誇る。いままでに4作が創られ、主演はスタローンだが監督はすべて違う。前作ではとうとうスタローン自身が監督をし話題になった。今回メガホンをとったのは、エイドリアン・グランバーグ監督(キック・オーバー)。子どもの頃から「ランボー」を観て育った大ファンという監督が描く新作は、前作から10年後という設定の物語。
振り返ると第一作が公開されたのが1985年。その時のサブタイトルが「ファーストブラッド」。そして今回の5作目が「ラスト・ブラッド」ということで、最終章としての位置づけとされ初心に立ち返り、原点回帰したランボーをスタローン自身が提案したようである。鑑賞したあと、さまざまな想いがが蘇り頭の中をフラッシュバックし「ああ、これで最後か?」と複雑な気持ちが残ったわたし。
すこし話しが横にそれるが、その昔友人とシリーズでどの作品が一番良かったかで言い争った事がある。第1作と続編の2作目がそれ。友人は2作目が最高に面白いと言ったのだが、わたしは1作目と2作目はあきらかにコンセプトが違い第1作目を押した。今思うと良くあんなにムキになり言い争ったなぁ~っと、若かったことを反省する。だが、今作を観て確信を持ったのは、やはり第1作目がわたしの中では一番と言う事。だが不思議なことにシリーズの中では、観客動員数が一番少なかったと言う事実に驚かされる。ちゃんと理由があるのですが、話すと長くなるのでここはいったん話しを戻します。
先ほど1作目と2作目のコンセプトが、全然違うと述べました。解る方は今さら言うことでも無いのですが、一作目は主人公ランボー(元グリーンベレー)を使いアメリカが残した愚行のひとつ「ベトナム戦争」への是非が浮かび上がるのである。ある意味すごく重たいテーマで、ランボーは単にヒーローとしてだけ描かれず、戦争の爪痕の深さを背負っての登場でした。戦争とはいかに残酷で、ひとの人生までも変えてしまうという事実を突きつけた、いわば反戦の象徴だったとわたしは捉えています。その後の作品は言うまでも無く、アクション最優先のヒーローものとして描かれ1作目のテーマはどんどん薄れていった。ランボーの魅力とは、ギリギリの極限状態の中を生き抜いてきた生身の人間が持つ、強い意志と磨き鍛え上げられた技術と体力が融合された一級のスキルである。そのスキルすら2作目以降はドンパチの派手なアクションに移って行き、日本で言う「必殺仕置き人」のような静かな緊張感が消えてしまった。好みはあっても良いと思うが、個人的には戦争を賛美(アメリカ第1主義)したようなシリーズのその後は、別物として捉えています。単純にスカッとするし、カッコいいと言う事は認めますが・・・。
第1作は原作があり、映画化に至るまで10年の歳月を費やした聞く。ラストではランボーが死ぬという内容で、このあたりも製作の間だで議論があったようである。結局、ランボーは死なずシリーズ化が生まれ今回の“ラストブラッド”として10年ぶりに復活した訳です。
ランボーシリーズには他にも多くの逸話が残っていて、興味のある方は自身で調べるとまた違った映画鑑賞が出来ると思います。
さて、今作“ランボー/ラスト・ブラッド”の話しですが原点回避と言えるのか?は個人個人で評価が分かれるのでは無いでしょうか?確かにとうなずける部分も多いのは確かですが、シリーズのどの作品ともちがうテイストになり殺伐とした展開になり、表現もリアルかつ激しい展開になり救われない主人公が哀しい結末となっています。想えば第1作では、ランボーは自身の手で人を殺める事はありませんでした。戦争という悲劇が生み出したヒーロー(人間兵器)は、最後の最後まで救われないというここだけが原点回避といえるのでは無いでしょうか?久しぶりにムキになって語ってしまいました。申し訳ありません。
つべこべと言いたいことを言って来ましたが、正真正銘のランボーファンであると言っておきたいと思います。スカッとするかどうかは観る人によって違うと思いますが、それで良いとも思います。拘りはありますがすこしだけ大人になって映画を観ることが、50年の歳月を通し身についた気がします。
P.S. 主演のシルベスタ-・スタローンですが、さすがに年を取りました。73歳と聞き吃驚です。顔に刻まれたシワの数は人生の重みを物語り、カッコいい年の重ね方をしたレジェンドそのもの。体当たりのアクションは健在でそちらは衰えを感じません。凄いのひと言です。“ロッキー”を地で行く生活を経験したひとにだけに表現できる、唯一無二の俳優さんでは無いでしょうか?これからも末永く活躍して欲しい俳優さんの代表です。
※ゴールデンラズベリー賞(最悪の映画賞)の常連でしたが、2016年“クリード”のロッキー役でアカデミー賞にノミネートされ、そして同年ゴールデングローブ賞助演男優賞を見事受賞。熟成した演技で見事にラズベリー名誉挽回賞もとり、ファンにはたまらない一報でわたしも心から嬉しくなる出来事でした。“クリード”、マジ良い作品です。
by eddy-web | 2020-06-28 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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