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わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の六/“チョコレート・ドーナツ”
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今日お勧めする作品は、2014年に鑑賞した、“チョコレート・ドーナツ”(よもやまシネマ-145(2014/5・19)。邦題があまりにファンタジーな印象なので、勘違いしてイメージを持つひとも多いかも知れない。わたしも観るまでは、そのひとり・・・。まさかこんな展開に進む内容とは想像もしていませんでした。映画はエンターティメントと良く言われるが、非日常を味わう娯楽の代表としわたしたちに夢を見させてくれる。だが中には夢とはかけ離れた、まるで対照的な作品をわたしたちに投げかけてくる。現実逃避を望んで観に行くのが映画なのだが、皮肉にも真逆の現実を突きつけてくることがある。それがまさに今作“チョコレート・ドーナツ”かも知れない。原題はAny Day Now。どうしてこの題名が“チョコレート・ドーナツ”になるのかは、正直???です。確かに本編で重要なアイテムとして使われていましたが・・・。
さて、こんなところで頭を悩ますのは止め本編の話しに移します。一度紹介しているのでかぶることもあるやと思いますが、改めてご紹介いたします。映画から受けた衝撃は、感動などと言ってはいけないショックな現実にやりきらない怒りを覚えた作品でした。作品は「1970年代のニューヨークで実際にあったゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話がもとになっている。もうおおよそ予測がつくかと思いますが、社会のひずみともいえる「偏見と差別」にスポットを当てたヒューマンドラマである。
物語は1979年のカリフォルニアが舞台。歌手を夢見ながら、ショーパブで日銭を稼ぐパフォーマーのルディ。彼は客として訪れていた検事局に勤めるポールに引かれる。実はレディはゲイでそれを隠し生きてきた。ところがポールもまた同性愛者で二人は自然に心を通わせ交際が始まる。時代の変化に、伴いいまでは「LGBT」「セクシャルマイノリティ」という言葉が知られ一般のひとにも理解がされるようになってはきたが・・・。それでも人権といいう観点で考えれば、いまだに差別の対象と捉えられ法の壁が大きく立ちはだかっている。この映画はそんな人たちが毎日をひたむきに生き夢を追う姿を映し出す。そこに新に加わる問題が生まれ、彼たちに大きな試練を与える。隣人の子どもの母親が薬物依存で捕まり、子どもがひとり取り残される。その子の名はマルコ。彼はダウン症を患う障害児でひとりでは生きていけない。施設へ送られるが、母親が恋しく何度も脱走をし部屋に帰ってくる。そんな彼に個々色を痛め、いつしか三人は一緒に暮らしはじめる。社会から見放されるマイノリティの彼らに平穏の日々と幸せは訪れるのでしょうか?
見終わると言いようのない怒りがこみ上げる。そして辛い気持ちに襲われ、自問自答を繰り返してしまう。ひとが人として生きられる事が、こんなにも難しく当たり前ではないことを痛感する作品です。
いま、アメリカでおきた警官による黒人殺害事件が引き金になり、世界中で人権保護活動が拡がり大きなうねりとなり拡がっています。簡単な問題ではないことはみな解っているのだが、もういい加減に弱者を創る社会を卒業する日を本気で考えなくてはいけないのでは無いでしょうか?
P.S. ルディを演じたアラン・カミングが素晴らしいです。彼自身トランスジェンダーだと言うことを公言していますが、この役は彼でしか出来ない役かも知れません。舞台出身でトニー賞(キャバレーにて)をはじめ多くの賞をてにしています。歌も聴きいってしまうほど、感性に響くこころの叫びにも似た歌声です。そしてこの映画では絶対の存在なのが、ダウン症の少年マルコ。役を演じたアイザック・レイヴァくんは実際のダウン症にかかっているが、役者として活躍する人物。どれだけ彼の演技に涙を流したか、覚えてないくらい号泣しました。そんな自分がいやになるくらいで、これは本当は泣いてはいけない映画です。
劇中に良い子でいる事を条件に、ルディからもらう「チョコレートドーナツ」を頬張るマルコは抱きしめたくなるほど愛おしい存在になるでしょう。この記事をUPしながら、瞼が熱くなり大変でした。
是非とも観て欲しい1本です。
by eddy-web | 2020-06-18 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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