コロナ禍の影響から自粛生活が続く毎日。そんな中、日々の生活を無駄に過ごさないようにと家の中を見渡すと趣味のひとつ漫画本コレクションが・・・。その数◎千冊。小学校の頃読んだ懐かしい名作から最近の作品など数々。「アトム」「8マン」「鉄人28号」「伊賀の影丸」「サブマリン707」「ワタリ」などなどから、JOJOに至る大切なお宝たちが微笑んでいました。そんな中から毎日少しずつ引っ張りだし、感動を思い出す時間を楽しんでいます。名作たちは時間を超え、その素晴らしさとクオリティの高さが再び感動を運んで来てくれます。GWでは、「愛と誠」を全巻一気読み。ちょっぴり疲れましたが、青春の1ページを思い出し懐かしさに浸ることが出来ました。外出禁止令の中、趣味(オタク)の数々が大いに役に立ち、わたしの心を慰めてくれています。数ある趣味の中、映画が見れない今、身近にある漫画たちはまさに救世主。外出禁止令解除は出たものの、映画館の開館はまだ少しかかるよう・・・。そんな時たまたま見たTVで“るろうに剣心”の最終章の宣伝映像が流れていました。近年観たチャンバラ(時代劇)映画の中では、秀出した演出で出来は最高。今一番観たい映画のひとつ。娯楽に徹した映画の醍醐味を味合わせてくれる作品の筆頭。でもしばらくまだ、その最終章を鑑賞する時間は訪れそうにない。しからばとその原作漫画を引っ張り出し、これまた「全22巻一気読み」と言いたいところだが、さすがにエネルギーがもたず三日もかかって読破。原作も映画同様、実に面白いことを改めて感じ、早く映画を観たいと強い思いが湧き上がって来ました。今回改めて読み返し、いろいろな発見がありました。原作の和月伸宏氏のこの作品への思い入れが強く感じられ、ますますファンになったわたしです。なかでも付録についていた
「時事随想拾遺」がとても面白く、つい時間を忘れて食い入るように読んでしまった。
漫画の中のキャラたちを生みだすまでの苦労話や反省談など、実に興味深く判読させていただきました。和月さんは個性豊かなキャラたちのイメージに、歴史上の人物を重ね創り上げたという話はとても興味深く、それらがわたしの思っていた人物も多く、なにかとても身近な存在に感じる事ができました。思うにこのひと本当に維新の時代に生きた人たちが、大好きな事がひしひしと伝わり相当歴史の勉強をしたことが窺えます。そんな側面からみても、素晴らしい漫画作品では無いでしょうか?フィクションの世界に、実在の人物を登場させたりし、その世界観を拡げた傑作だと思います。激動の時代を生きた武士の憂いを、見事に表現していて敵味方関係なく登場する剣士たちが好きになる。ちなみにわたしは数いるキャラの中では個人的に“斎藤一”のファンです。クールにてっした立ち居振る舞いの中にある、熱い血(男気)が、なんとも言えずこころに沁みてきます。もうひとり好きなのが敵キャラの悠久山安慈(十本刀のひとり)。このひとの抱えた念いは、時として強さと弱さ(光と影)が交差し、誰しもが抱えるこころの迷いを見事に表現され引かれます。作品が終了して随分とたちましたが、この作品もまた漫画史に残る名作と言えるでしょう。最終話のあとがきの和月さんの感謝の気持ちがよせられていて、本棚に並ぶみなさんが愛した過去の漫画たちの隣に、置いてくれると嬉しいと書かれていました。もちろんです。