50年を超え映画ファンを自負するわたしが、ようやく手に入れた一冊が今回紹介する本である。引き寄せられたのはまず、そのタイトル。一般人が生涯で観る映画は平均するといったい何本なのか?というシンプルな疑問。きっと驚くほど少ないに違いない。わたしも一映画ファンのひとりだが、いままで観た映画を数えるとたぶん1500~2000本くらいだろうと思う。いま家の書棚がひとつ、丸ごと映画関係の書籍とパンフ(プログラム)が詰まっている。パンフはその数1000。細かく数えた訳では無いが、15歳くらいから見始めた大切な宝物がところ狭しと並んでいます。まず見返す事は無いが、たまに古きよき時代を思い出し、引っ張り出すのも楽しみのひとつ。なかなか見つけ出せず苦労はするが・・・。家族にはほぼゴミ扱いされているのだが、わたしには掛け替えのない青春と人生の足跡といえる宝である。
さて、今回紹介する本も大切な映画資料のひとつとして最近手に入れたもの。10年ほど前に本屋で見かけたが買いそびれ、最近ようやくネットで手に入れた。届いた時の喜びは何とも言えず、そしてその分厚さにまず驚かされた。この中に1001本の名画が紹介されているのだと思うと、胸がワクワクした。早速中のページを捲ると1902年から2010年の間に公開された映画がチョイスされ載っていました。もちろん全然知らない作品や生まれる前に創られた作品などがギッチリと納められ、全部読破するにも相当の時間がかかりそうだ。取りあえず自分が観た作品がどれくらい載っているかとパラパラとページを捲ってみた。案外少なくちょっと映画ファンを自称していたわたしにはショックでした。本書は9カ国76人の映画評論家による簡潔で刺激的な寄稿とされていて、監督、スタッフ、キャストなどがアルファベットで表記されている。年寄りのわたしにはいささか文字が小さく、読むのには結構しんどい・・・。それでも自分が観た映画に遭遇すると、血湧き胸が躍るのである。私見だがそもそもあまり評論家の意見を鵜呑みにはしないタイプで、あくまでも参考のひとつと捉えている自分。基本は何の情報も入れずに劇場に足を運ぶのがわたしの流儀。ジャンルなどの拘りも無く、「観たいときに観たい作品を観る」がモットーである。
ひとつ生意気を言わせていただけるなら、何であの作品が入ってないの???と思うものが多々あるのは、わたしの目がまだまだ未熟だからなのでしょうか?いやいやこれはある意味、異論が出ても不思議ではない創り方をしているのだろうと推測される。本の冒頭にこの本は、単位名画を選び出し紹介するのでは無く、読者を刺激し映画への興味を掻き立てることを目指してのものと記されている。見事な戦略にまんまと塡まってしまった様である。しかし少なくてもいろいろな意味で、映画ファンにはたまらない一冊かも知れない。少なくてもわたしには・・・。
P.S. 新型コロナウイルスの拡散防止対策として、さまざまな自粛要請がなされ映画館もまた休業となっています。いまは我慢を続け何とか早い終息を願うばかりである。そんな訳でBLOG「よもやまシネマ」も当分の間休止させて頂きます。
そこであらたにいままでわたしが観てきた映画作品の中でこれは絶対に観てほしいと思う作品をピックアップし、紹介していこうと考えています。「生きている間に観てほしい映画30本」(巡り会えたことに感謝が言える)なんていかがでしょうか?30本になるか50本になるかは、はじめてみないと解りません。選ぶのも大変ですが、独断と偏見によりジャンル、年代などアトランダムに思い浮かんだ作品を紹介しますので、こうご期待。それではまた。