

2020.3.9
NEWSで日本中が動揺を隠せない新型コロナウィルスの猛威。映画館にも影響し規制措置をとっている現在。さすがにわたしも鑑賞を控えているのだが、我慢も限界を超え完全防備で劇場に足を運んだ。劇場内はガラガラの状態で思いのほか深刻な問題だと経済への影響を強く感じました。
さて、3月に入って初の鑑賞は・・・。久しぶりに邦画をチョイス。主演の二人が好きと言う単純な理由で選んだのと、ここの所重たいテーマの作品ばかりだったので気楽に楽しめればと“仮面病棟”を選びました。主演は永野芽郁(半分、青い)と坂口健太郎(とと姉ちゃん)くん。二人は共にNHKの連ドラを観てファンになった。二人とも別の作品の出演でしたが、いきいきとした演技に輝く躍動感とこれからの可能性が感じられ若いエネルギーにやられました。ドラマでは何度泣かされたことか・・・。
そんな二人の共演ということが観たいと思った単純な気持ち。映画やドラマで驚かされるのはやはり俳優さんたちの役への向き合い方。ぜんぜん違うタイプの人間を演じ分けるというだけでも凄いのに、自分とも違うはずの人になりきるのはどれだけ大変なことか?と思う。自分のことさえ解らないのに、ひとの念いを汲み取る作業はとてつもなくエネルギーを使うに違いない。だからプロなのかもしれし、プロなのでしょう。物語はある病院に逃げ込んできたで犯人と、たまたま臨時で当直医として夜勤に入っていた青年医師速水が遭遇したことからはじまる。ミステリー仕立ての展開は、見る側の創造力を掻立てるような展開になっていて最後の最後まで目が離せない。坂口くん演じる速水は彼のキャラにはピッタリだが、芽郁ちゃんの演じた瞳はかなり彼女のイメージからは見えてこない人物。もちろんらしさ(彼女)はバックボーンにあるにはあるのだが、ここまで深い闇を抱えた人物像はいままで観た記憶がない設定である。いつもより濃いめの化粧が印象的で、そこが鈴愛(すずめ)とは真逆のキャラで妙にドキドキさせられた。大人の女になったようで、どことなく危うい感じがたまらない。予測をしながら楽しんで観た映画だが、当たりとはずれが入り組んでなかなかパーフェクトな答えには繋がらなかった。金田一にもホームズにも、ましてやポワロなど、夢のまた夢。最後はまんまとやられました。坂口くんと芽郁ちゃんの熱演に拍手です。現実味を帯びたネタも仕組まれていて、社会性も練り込んだなかなか面白い話でした。瞳のその後がきになりますが・・・。それは神のみぞ知るということで。
P.S. 個性豊かな俳優さんたちも脇を固めていて、それだけでもう何かありそうって感じでした。その代表が高島政伸(院長)と江口のり子(看護士)の二人。強盗犯は不気味なピエロの仮面をかぶりもろ怪しいのだが、この二人はいるだけでもう怪しい感が溢れている。「何か変だ。この病院、」というキャッチは、二人のためのものではないでしょうか?物語ないでもかなりヤバいです。高島さんのエキセントリックな雰囲気はいつもながらマジヤバいです。なんかいきいきとしています。“仮面病棟”というタイトルも終るとなるほどそういう事か?と納得です。疲弊感の真っただ中ですが、ほんのひととき息抜きができました、m(_ _)m感謝です。