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よもやまシネマ494 “ラストレター”
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2020.1.20

大好きな映画作家、岩井俊二監督の“ラストレター”を観た。日本映画の監督で好きな人を上げると三人いるわたし。これは単純に好みの作家さんという、あくまでも個人的な見解で名匠・巨匠のくくりとは別物。その三人とは・・・。小栗康平、大林宣彦、そして岩井俊二。
どの方も繊細な作風で、シンパシーにとんだ視点で愛を紡ぎ出す唯一無二の存在の監督さんたちである。
さて、“ラストレター”を観て、「岩井俊二ほどロマンティックな作家を、僕は知らない。」と言う新海誠(アニメーション監督)のコメントは、今作をまさに言い当てた言葉。わたしも同感である。はじめて監督作品に触れたのが、深夜TVで放映されていた「GHOST SOUP」と「FRIED DRAGON FISH」である。日本人離れした感性が何とも言えず印象に残った。そのスタイリッシュな表現と感性に魅了され、その後多くの監督作品を観て大ファンになっていった。すべての作品を観たわけでは訳では無いので、あまり大口はたたけませんが個人的には“リリィ・シュシュのすべて”がとくに大好き。“Love Letter”など他の作品ももちろん好きですが・・・。DVDのコレクションも多く、たぶんオタクと言われても嫌ではありません。
さて、今作の“ラストレター”ですが、手紙が織りなす時空を超えたトライアングルのラブストーリーとなっています。ついに一番好きな“リリィ・シュシュのすべて”を超えてしまうくらい好きな作品と出会ったようです・・・。わたしのハートのど真ん中に直球が決まり、なんとも言い様がないほどの感動が全身を貫き、その余韻がずーっと続いています。こんなことはそう滅多にはないこと。その訳は作品の内容と断片的にリンクするような経験がわたしの中にあり、それがわたしの感情に火をつけてしまったのかも知れません。
戯言ですが、廃校となった小学校、初恋(中学クラスメートの妹)、高校時代の文通、親友との永遠の別れ・・・。時の差はあれど、みなこころの奧にしまい込んだ思い出のかけら。それらはパズルのように組み合わさり、わたしという人間を形成している。そんな自分がスクリーンの中に入り込み、まるで「Dejavu」のような感覚でわたしを覆って離さないのである。
「儚」という字はひとに夢と言う字が並ぶ。人は夢を見、それを叶えようとする。でもそのほとんどが儚く指の間をこぼれ落ちて行く。だからこそそれらは美しく輝き、自身の宝物になるのでは無いでしょうか?劇中で主人公(成人)乙坂鏡史郎が、自身を揶揄し発する「わたしは女々しい人間です」が、こころに強く突き刺さる。男はもともと女々しい生き物と自覚している。どれだけ時間が過ぎようと、思い出をこころの奥ににしまい込み忘れることが出来ない。偉そうにしていても、男とはそんなものである。余談ですがある番組で、「男はデータ(思い出)をず~っと残し、女は上書きしてデータを残す」と・・・。これは座布団2枚って感じの名言です。
なんだか今日は妙にハイテンションになり、訳の解らない話しをしてしまいました。映画はぜひ、観てください。きっとみなさんの中にも、忘れていた何かを気づかされる瞬間があるはずです。いつもどおり映像の美しさは岩井ワールドそのもので、懐かしいアルバムをそっと拡げたような作品です。そしてページをめくる度、柔らかな風が頬を撫で通り過ぎて行きます。さあ、岩井監督を知ってるひとも知らないひとも、すぐに劇場へ行きましょう。
P.S. 劇中のメールの文面で「君にまだずっと、恋してるって言ったら、信じますか?」という言葉が頭から離れません。時を経てなお想う、鏡史郎が美咲に宛てた真直ぐな気持ちが切なく胸を打つ。松たか子(裕里役)はじめ、福山雅治(鏡史郎)、広瀬すず(美咲/回想・鮎美役)、神木隆之介(鏡史郎役・回想)とみなさんがそれぞれの役に溶け込み本当に素晴らしい演技でした。演技という感じさえしないほど自然体の空間を創り上げていて秀逸です。裕里と楓香を演じた森七菜ちゃんが凄く透明感があり今後の活躍が楽しみ。また、美咲の元恋人・阿藤役で豊川悦司が汚れ役に挑んでいますが、うますぎて本当に嫌な(闇を抱えた)奴になっています。中山美穗もサプライズで出演し、また“Love Letter”を観たい衝動に駆られました。
今作は生涯で間違いなく忘れられない、映画作品の1ッ本に決まりです。


by eddy-web | 2020-01-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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