銭湯探訪47
武蔵湯(江戸川区西小岩1)
2019.12.27令和元年がもうすぐ終わる年の瀬。北風が吹く中、バスと電車を乗り継ぎ前から計画していた銭湯の巡礼に出かけた。そこはわたしが生まれ育った町、小岩。幼少期から18歳まで住んでいた町を訪ねるのは小学校(上一色)の同窓会以来。なぜこの町に巡礼に来たのかというと、その上一色小学校が3月に廃校になったことを知り、いてもたってもいられない気持ちが湧き来てしまったのが答え。懐かしさとは裏腹に、町は変化を遂げまるで迷宮に迷い込んでしまったかのよう・・・。思い出を辿り歩いていると、まだ残っているお店がありそっと微笑んでくれる。大好きだった小学校。秘密基地を作って遊んだ土手。貨物列車を眺めながら遠い街を夢見た鉄橋。隠れんぼをして遊んだ天祖神社。むかしとはちょっぴり違っていたが、わたしには笑い声が聞こえてくる。何もかもが宝物である。長くなるので思い出話はまた別の機会をつくり、あらためて綴ることにしましょう。
目的の銭湯探訪に話題を変えます。家族で良く通った銭湯はすでに無くなっていたのですが、もう一件知っていたお風呂屋さんを訪ねてみた。小学校にほど近いその銭湯の名は”武蔵湯“。名前は覚えていませんでしたが、場所はすぐに解りたどり着きました。思い出を探しながら町を2時間あまり歩いたわたし。さすがに疲れたというか、ぽっかりと穴が空いたこころ。寂しいこころを暖めてもらおうと暖簾をくぐり中へ。
玄関脇から見える煙突が妙に堂々としていて、まるで「良く来たな!」って言ってるようにみえる。受付でスタンプをもらうと、おじいちゃんが「頑張ってるねぇ~~っ」とひと言。もう、このひと言で今日一日が報われた気分である。オーソドックスでレトロな銭湯は清潔感に溢れ心地良い。壁のペンキ絵は大好きな「富士山」で、男湯と女湯をまたいで裾野を拡げ迎えてくれる。湯に浸り幼い頃のことを思い出し、懐かしさで溺れてしまいそうになるわたし。湯舟に身を浸し目を閉じると、走馬燈のように思い出が頭を駆け巡る。あ~~ぁ、このまま溶けてしまいたいところだが・・・。
母校が無くなるなんて想像もしていなかった事。これも時代の流れと言ってしまえばそれまでなのかも知れない。なんだかちょっぴり悔しいですね。でもわたしはこの学校で育ったことを生涯忘れません。沢山の思い出と大切な時間を作ってくれた小学校とこの町にこころから
「ありがとう」と言わせてもらいます。
P.S. 今年最後のブログ更新です。つたない文章におつき合い頂き、感謝です。2020年がみなさまにとって幸せ多き年になりますよう願っております。