2019.11.08.
映画史に燦然と輝く「伝説」の作品“ターミネーター”が再び降臨。新作が28年ぶりにスクリーンに戻って来ました。制作・ストーリーに、原点の“T1”” T2”を世に送り出したジェ-ムズ・キャメロンが担当し、監督にはティム・ミラー(デッドプール)が起用された話題作。このシリーズはいままで5作創られ、どれも興行的には成功しているようだ。だが、ここで私的見解でものを言わせていただきます。これは映画ファンとしての感想ではなく、”ターミネーター“の一ファンとしての言葉とし聞いてください。5作ともエンタメとしての評価は出来るのですが、根っこの部分であるコンセプトが3作目からどんどんと違って行ってしまったような気がします。こう感じるのはわたしだけでしょうか?時代が刻々と移り変わり、そして映画の内容と同じにコンピューター技術が進歩。3作目あたりから如実に表れはじめたCG技術の普及により、映像の世界は本当に凄いものになった反面、軸となるストーリー(コンセプト)がやや安易な形になりはじめたことは否めない。原点である”ターミネーター“を思い返すと、その容姿は一見ひとだがその皮にしたに骸骨の形状をしたロボットの姿があり、それがどこまでもどこまでも追ってくる暗殺マシーンであった。現在の技術ではもはや当たり前の表現で、むしろ今観るとかなりアナログ的動作である。だがどうでしょう、そこが”ターミネーター“のターミネーターたる魅力では無いでしょうか?手足がちぎれ、顔の半分がロボットの姿に変っても何度も立ち上がり迫ってくる姿、これこそターミネーター(T-800)なのです。3作以降は映像表現にばかが吐出した脚本になり、どれもいまいち物足りなさが残ってしまいました。そんな中、制作に戻ってきたのがジェームズ・キャメロン。出来れば監督もしてほしかったのですが、そこは目をつぶりいましょう。
さて、今作“T/ニューフェイト”。久しぶりにT-800でアーノルド・シュワルツェネッガー、そしてサラ・コナー役でリンダ・ハミルトンが、戻って来ました。ストーリーそのままに35年の時を経ての登場です。歳を取りました・・・。でもAIが進化したのと同様、二人も確実に進化をとげますます魅力に溢れたヒーローへと変わり、まさに「木は熟した」感じです。これだけでも充分嬉しいことなのですが、ファンはやっぱり作品に大きな期待を持ってしまうもの。ですのでちょっと辛めのコメントをさせてもらいます。この作品のみを観れば、間違いなく面白いし、きっとはじめて観るひとはそれなりに満足いくはずです。ただ、長い間待ちに待ったファンからすれば、ちょっと期待とは違っていました。ただそれは各々のひとで映画を鑑賞し、自ら確かめてください。いまも大ファンなので、つべこべは言いません。あくまでも個人的見解ですので・・・。ストーリーの基盤にタイムスリップという展開があり構成されたお話しは、このままだと終わりが見えて来ません。そろそろこのあたりで完結させてはいかがでしょうか?ひとのこころに目覚め始めていた“T-2”が、溶鉱炉に沈む名シーンが懐かしい。名台詞「アイル・ビー・バック」は、戻ってこないからその言葉に深い意味があり、ひとのこころに永遠に残るのでは無いでしょうか?みなさんはどうでしょう??まずは、観てから話しなので劇場に足を運んでください。
P.S. シュワちゃんも渋くなり味わい深い演技でわたしたちを喜ばせてくれました。そしてなんと言ってもサラ・コナーのリンダ・ハミルトン。覚醒した女性(母)としての強さを、遺憾なく表現し、これは間違いなくこの作品の主役。強くて優しくて、そしてタフ。ここはキャメロン監督のテーマから外れていませんでした。カッコいい男の中の女と言ったところ。アクションも体当たりでこなしていたようで62歳とは思えません。素晴らしいのひとことです。
※今日の画像は裏表紙(パンフ)です。こちらの方がかっこ良かったので・・・。