

2019.10.31
久しぶりの大当たりが出ました。貯まったポイントを使い観に来た映画、“T-34 レジェンド・オブ・ウォー”。この作品はロシアで制作され、本国で観客動員800万人を記録した今年度No1のメガヒット戦争映画。戦争をテーマにした作品は、制作した国により、その国を賛美するような脚色が世の常。この作品もその色が濃く、第二次大戦下のロシアの戦車T-34とその乗組員たちの活躍を描いたエンターテイメント作品に仕上がっています。ロシアの映画はそれほど多く日本では公開されていない。そんな中公開されたこの作品は、戦車を題材に国を背負っての軍人たちのプライドが火花を散らす娯楽作品となっています。戦争を賛美するような作品は批判も多くあるが、エンターテーメント作品と受け止め鑑賞しましょう。今作は映画史に燦然と輝く名作の“大脱走”を彷彿させる。VFXを駆使したリアルな映像表現に、知らず知らずスクリーンの中へ引きずり込まれてしまう。ストーリーもシンプルで解りやすく、きっと男の子たちは大好きな映画では無いでしょうか?2014年に公開されたブラピ主演の“フューリー”以来の感動で、戦争アクション作品としては◎である。1台のT-34に相対するは、ドイツ軍の戦車(パンター)部隊。こんな設定で創り上げられた戦争(戦車)作品となれば、胸を躍らせない男子はまずいない。現に会場を見回すといかにも戦車大好きといった感じのおじさんたちで溢れていた。想像するに子供の頃、夢中に戦車や戦闘機のプラモデルを夢中に造っていた元少年に違いない・・・。年齢層がこれほど片寄った映画の会場は珍しい。そんな中にいる自分もやっぱりオタクなのでしょう。
物語は雪原でいきなりドイツ軍の戦車に襲われるソ連兵二人の逃亡劇で幕を開ける。戦車から打たれる砲弾を間一髪でかわす迫力あるシーンにいきなり釘付けになる。その一人が今作の主人公ニコライ(アレクサンドル・ペトロフ)で、その後小隊の車長とし抜擢され勝ち目の無いドイツ軍との戦いへと進んでいく。戦車とそれを動かす人間の話だが、見方を変えればヒーローものの戦車バージョンなのである。脈々と流れる血はガンダムなどと変らないもの。久しぶりに文句なく楽しめた映画で、面白いのひとこと。VFXの映像技術も素晴らしく、スローモーションで表現される着弾時の映像は迫力満点。主人公たちのT-34を操るスキルの高さが見事に描かれ、こんな言い方は何だがカッコいい!!一発で2台のパンターを射貫いたり、一番弱点のある戦車の底を狙ったバウンドさせる射撃シーンは圧巻。そして自車に着弾した時に起こる「キィ~~~ン!」という金属音と、乗組員たちのもがき苦しむ姿に経験したことのないリアル感が伝わってくる。こんなに凄い感じなのかと、バーチャルリアリティの世界を味わうことになる。敵のドイツ軍将校との国を超えたプライドのぶつかり合いや部下たちとのワンチームの友情など、理屈抜きで楽しめる作品に仕上がっています。宝くじでも当った気分の大当たり映画です。男たちよ劇場へ!!
P.S. 使われている戦車はすべて本物とのこと。“フューリー”の時も博物館に保存されていた戦車を復元させて創ったと聞き、さすが本物は違うと思ったが再びあのリアル感を味わう事が出来大満足なわたしです。