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よもやまシネマ465 “アド・アストラ”
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2019.9.21

ブラッド・ピットが制作に参加し、自ら主演を勤めた映画“アド・アストラ”を鑑賞した。SF映画の名作は多い。未来を描いた作品は想像力を掻き立て、観る側のこころに夢を与えてくれる。時代はどんどん進化を続け、むかし描かれたSFの世界はいまや現実となりはじめ、夢が夢では無くなりつつある今。今作はそんな時代を象徴したような、そんな作品として近い未来を舞台に「宇宙の彼方で」おきたスペース・アクションの物語である。解説で紹介されていたのだが、この作品のテーマは、宇宙を夢見た時代は終わり、人類は遂にサイエンス・フィクションからサイエンス・ファクトを体験する時代へと足を踏み入れたようだ。確かにこの作品もそうだが、2013年に公開された“ゼロ・グラビティ”など、近年創られている作品の多くは夢物語ではない未来の真実を解き明かすようなセッティングが多い。NASAなどの協力を得て、今回もリアルな表現を徹底して追求しまるで自身が宇宙にいるような感覚を味わう事が出来る。その昔“2001年宇宙の旅”を観て、宇宙の神秘に触れそして未来を夢見た頃。それがいまは、ほぼ現実になっている事実。人間の持つ能力とその進化は、それこそ無限大なのかも知れない・・・。先はども言ったが人類は創造したものを、ほぼ現実にしてきているのは明らかである。
さて、話しが壮大になりすぎて収集が付かなくなりそうなので“アド・アストラ”の話しに戻しましょう。いままでのSF作品と違う点を上げるとすれば、サイエンス・ファクトをただ映像で表現するだけで無く、人類の夢(地球外知的生命体の存在)を証明するためのミッションをテーマにしたところにある。いまだに創造の域を脱する事の出来ない、謎の存在(地球外知的生命体)や、未確認飛行物体(UFO)の科学的証明。これだけは、いまだ謎のままで人類が確かめたい永遠の夢でもある。物語はあるミッションにより、遙か彼方の海王星で行方不明になった父親が生存しているというところからはじまる。今回の作品では一応の結論を出す形で物語を構成し、かつリアルに表現している。こういう方向性でSFを描くというのは、今までに無い着想である。夢と現実の狭間にある永遠のテーマの新しい切り口かも知れない。きっと賛否はあるに違いないが、こればかりは誰も知るよしのないこと。いるのかいないのかは、それこそ近い未来にはっきりすることなのだろう?信じる信じないはこれまた、個人の勝手である。だからこそ、これからもますます科学が発達し、今回の映画が現実になる日が来ると思えたわたし。ブラピは制作にも参加し、自ら主演をつとめ全身全霊で主人公ロイを演じている。デビュー当時から注目を集める存在だったが、いまや押しも押されもしないハリウッドの顔になりました。顔も良くて、頭も良くて、その上才能にも恵まれている。ついこの間観た作品“ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ”の演技もインパクトがありましたが、今回は一見クールな人格の裏側にある苦悩を見事に演じ分け素晴らしい演技でした。トミー・リー・ジョーンズやドナルド・サザーランドと言ったレジェンドに囲まれながら、しっかりと自身のオーラを出しここにピットありと重厚な演技をみせてくれました。ブラピの愛称で親しまれ、俳優、そしてプロデューサーとしてもアカデミー賞に3度づつノミネートされていますがいまだ無冠。ただこれももはや時間の問題でしょう?間違いなくその栄光を手に入れると信じてやみません。ブラピ最高です。
P.S. ロイを影で支え協力した火星基地の責任者ヘレン(ルース・ネッガ)の、登場するシーンは少ないがとても印象に残る存在でした。この物語の中で見終わった後も気になっているのが、彼女のその後の処遇。ロイは無事地球に生還したが、火星しか知らない彼女のことが心配で、夜も眠れません・・・。誰か教えてください。


by eddy-web | 2019-09-24 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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