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よもやまシネマ458 “午前十時の映画祭/ニュー・シネマ・パラダイス”
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2019.8.27

2月以来の「午前十時の映画祭」訪問。劇場の改築工事などにより、しばらくご無沙汰をしていたわたし。“パルプ・フィクション”後約半年ぶりに観に来た作品は、映画好きにはたまらない映画“ニュー・シネマ・パラダイス”。この映画を観て、泣かない映画ファンは絶対にいないと確信する自分。数ある名作の中でも、この作品ほど映画好きのハートを掴む作品は他にない。この作品は映画好きのファンのために創られたと言っても過言ではない。映画の持つ影響力を遺憾なく再現し、そして関わる人々の深い愛が見事に描かれ観るもののこころを豊かにしてくれる。見終わると本当に映画が無限に大好きになります。ビデオでしか観ていなかったので、スクリーンで観られた事に至福の喜びを感じます。
まずは監督ですが、イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ(マレーネ、海の上のピアニストなど)。故郷シチリアを舞台に唱い上げた作品は、監督自身の体験談がモチーフになっているとのこと。主人公少年トト(サルヴァトーレ・カシオ)と映写機師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)との映画を介したさまざまなひととの関わりを通し、生きる事の重みを温かく描いている。この作品が好きなんて簡単な言葉じゃ表せないくらい、本当に大好きな作品です。何が良いって言われると、全部!としか言えないくらい良いです。ひとつだけ残念なのは、今回上映された映像は完全版ではなかったこと。もちろん完全版じゃなくても、素晴らしい作品には変わりありませんが・・・。劇中のトトとエレナの再会シーンがなく、エンドロールに写真だけが映し出されるため余計に心残り感が強くなりました。それにしても名作とか、秀作とか、傑作とか褒め言葉は数あれど、全部あてはまるのがこう言う作品のこと。死ぬまでに絶対に観て欲しい、観ないと損する作品のひとつです。名シーンも上げたら切りがないので省略しますが、個人的にはこれは映画好きのお伽噺。過去も現在もそして未来も、ず~っと映画を好きでいると気持ちを強く思わせてくれます。何度でも観たくなります。なんだか好き過ぎて、うまく言葉では言い表せません。ゴメンナサイ!
絶対に言っておきたいことですが、作品のテーマ音楽が作品の付加価値を何十倍何百倍と高めている事が再確認できました。映画音楽の第一人者エンニオ・モリコーネの美しい旋律は数ある名曲の中でも最高傑作ではないでしょうか?何度も流れる音楽ですが、様々なシーンにそっと寄り添う感じで、時に優しく、時に哀しく、そして時に強く主人公のこころに重なり涙を誘います。好きなシーンが沢山あり選ぶのは大変ですが、ラスト近くの劇場が爆破されるところは色々な感情が入り乱れもう涙が止まりません。嗚咽がでるほどに感情が高ぶり、ひとりで観たら思いっきり泣けるのになァ~~~。思いっきり泣けるなんて、幸せですよねェ~。みなさんはどう思いますか?
劇中、往年の名作や俳優さんたちがいっぱい出て来る所の、この映画のオプション的喜び。知っている作品が出る度、こころが踊りました。忘れてはいけない人生の断片を再発見させてくれる、そんな作品を見逃しては一生後悔します。だから、絶対観てください。

P.S. 初老のトトを演じたジャック・ペランは、デビュー当時美青年俳優として人気をはくしましたがこの作品で再び脚光を浴びたレジェンド。いまはドキュメンタリー映画監督業のほうが多いようですが、“WATARIDORI"は公開時に観ましたが素晴らしい映像に感動しました。この人自身が今作のトトのように、映画が大好きなことが解ります。そう言う意味でもベストのキャスティングではないでしょうか?若い頃より、年輪を重ねた彼の方が、これもまたトトと同じで熟成したワインのようで香しくいい味を出しています。トトの子ども時代をやったサルヴァトーレ・カシオはイタリアで実業家になっているとのこと。映画だけでなくすべてが時間の重みを感じさせます。

★こころに残る名台詞(アルフレードが旅立つトトに捧げた言葉)
今のお前は私より盲目だ。
人生はお前が見てきた映画とは違う。
人生はもっと困難なものだ。
行くんだ。お前は若い。
もうお前とは話したくない。
お前の噂が聞きたい。(前・後略)


※エピソード(日本)ですが、初公開は良くお世話になる「シネスイッチ銀座」での単館上映。200席ほどの劇場ですが、当時にしては異例の40週におよぶロングラン上映になり、動員数27万人・売り上げ3億6900万円は今だに破られていない記録だそうです。もうひとつ、映画評論家の淀川長治さんが「胸をかきむしられた作品」と評しているのもこの作品です。

by eddy-web | 2019-08-27 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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