銭湯探訪40
世界湯(中央区人形町)
2019.8.6今年の夏は半端ない暑さ。出来る事なら1日中、家の中にいたいところ。ところが60歳を過ぎてからというもの、時間が気になりじっとしていられない。いつ、この世からおさらばするか解らないので、毎日生きていることを楽しむようにしている。そのひとつが銭湯通い・・・。近所はすべて走破したため、いまは目的地をしっかり調べて電車を使っての探訪。今日は中央区人形町にある“世界湯”さんを訪ねてみた。人形町と言えば「水天宮」。言わずと知れた、安産の神様。その節はお世話になりました。下町情緒が残る中、成田行きのリムジンのステーションもあり上手に近代化が進んだ街といったところ。駅に着くと甘酒横丁の道に入り、“世界湯”を目指した。この横丁は歴史のあるお店はもちろん、明治座までは左右に数多くのお店が所狭しと並び、どのお店も好奇心をくすぐる。なのでちっとも前に進む事が出来ない、ある意味やっかいな通りである。そんな誘惑を振り切るように、銭湯に向かったわたしだが、やっぱり何度も足を止めてしまいました。やっとのことで玄関前に立ったのだが、駅の出口からは普通に歩けばきっと5分くらいの道どりだろう。

男女の入り口が2つに別れ、正面は壁が覆っている。その前には、やや大きめの植木が並んでいた。はじめてのケースだがこれも個性。さっそく中に入ると番台に女将さん。中はレトロ感に溢れ、まさにザ・銭湯である。脱衣所の天井を見上げると天窓がアリ、さんさんと太陽の光が差し込み室内は明るい。何時ものようにまずは体重計。「えっ!と思わず声を上げてしまった」。いつもと体重が明らかに違う???この体重計、歴史観たっぷりなのだがまったくお役にはたっていないよう・・・。まぁ、ご愛敬と言う事で浴場へ。綺麗に描かれた「富士山」のペンキ絵が、雄大に裾野を拡げ迎えてくれる。これこそお風呂屋さんの醍醐味。地のトタンも新しく、めちゃくちゃ綺麗(HPには立山連峰と北陸新幹線の絵が?)。ほとんどの銭湯の絵が歴史を刻んだ感があるのだが、はじめてこんなに綺麗な絵を観て感動。

湯舟もどシンプルで余計なものはついて無く、広くて清潔感に溢れている。温度はやや熱めの設定だが、わたしには最高のおもてなし。ただそのまま上がるとわたしの体質では汗がなかなか引かないので、しっかりと水を浴びる事数十回。しっかりと体温を下げてからの帰宅準備の少々時間が掛かった。脱衣所はクラシックの音楽が流れ、ちょっとお洒落。天上扇風機の風に吹かれながら、音楽に耳を傾けると時間を忘れてしまう。外は猛暑、このままここにいたいが気持ちを振り切り玄関をでた。モワッとした空気が、せっかくの湯上がり気分を現実に引き戻す。やれやらだが、昼間っからお風呂に入ったこれも神様が与えた試練かも?帰りに横町で鯛焼きを買い、アイス最中(小豆)をほおばりながら電車に乗りました。家に着いたらまたシャワーを浴びるのか???なんかへんですかねぇ~!!