2019.5.22
好奇心をくすぐる作品を観に来た。キアヌ・リーブス主演の最新作“レプリカズ”がそれ。キアヌ・リーブスのヒット作シリーズ“ジョン・ウィック”も近々公開だし、“マトリックス”も復活の噂が流れファンのこころは多いに揺らいでいるところ。今回のテーマは人類の未来上幾度となく取り上げられて来た、命の尊厳。有名なところではなんと言っても“ブレードランナー”が思い浮かぶ。人間のコピー(クローン人間)を創り上げるという話しは、にわかに現実味を帯びもうSF世界の話しでは無くなりつつある現在。遺伝子操作による科学の発展はめざましく、もはや生命をもコントロールできる力を持ちつつある人類。夢の話しと同時に、命の尊厳という重たいテーマが横たわる。今作はそれに+死んだ人間の意識や記憶を保存し移植するというとてつもない話しまでのおまけがつく。人間がそこまでして良いものかという、それはそれは大きな問題を抱え簡単に答えの出る話では無いことは誰にでも解る。一昔前なら夢のまた夢と言ったことが、近い将来間違いなくひとの手によって創り上げられるであろうと思わせる今作。見終わった後に、面白さよりも怖さが上回ったのが正直な感想である。利害がらみのストーリー展開はいかにも的演出でまさに映画だが、コピー人間を創り上げるまでの物語は色々と考えさせられる。
主人公のウィリアム(キアヌ)が自ら行っている研究で、失った家族を蘇らせたいと思う気持ちは解らないでもない感情で胸が痛む。最後は取りあえずハッピーエンド的終わりを迎えてはいるが、わたしはこの後の展開の方が気になりこれで本当の幸せを感じて生きていけるのだろうかと思ってしまうのはわたしだけだろうか???
P.S. 全米公開では思いの外不振で、興行成績は大きく予想を裏切ったとのこと。評論家からも酷評されているらしい。良い作品と呼べるか否かは自身で判断すればいいこと。評論家が正しい訳でも無いので、鵜呑みにする必要もない。個人的には興味をそそるテーマで最後まで見入ってしまった。“ブレードランナー”ほどの余韻は残らないが、そこそこ楽しめました。