銭湯探訪32
弁天湯(杉並高円寺南)
2019.3.17“杉並湯“を後にした後、まだ日が高かったので高円寺周辺を歩いてみた。その昔通った商店街はJR高円寺駅と丸の内線新高円寺を結ぶ道。昔の面影を残しつつも、お店は随分変っていました。寂しい気持を押さえつつ歩いていると、昔友達とよく行った喫茶店「七つ森」が現れた。コーヒーを呑みながら、熱く夢を語り合ったあの頃。いまも若者に人気の店らしく、中は満員。時代は変っても、人々には昔同様オアシスであるようだ・・・。一杯飲んで行きたかったのだが、今日は諦め写真をパチリ!

そのまま店を過ぎJR高円寺駅方向へと歩きながら調べると、店からほど近いところに見つけた銭湯”弁天湯“。はじめてのことだがその場で連湯を決断し”弁天湯”へ向かった。4~5分ほど歩くと大きな鉄塔が見えてきた。鉄塔が街の真ん中に建っているのが不思議に思えるようになってしまった平成時代。わたしは何だか妙に興奮を覚え、まるで子どものようにドキドキしているのを感じました。この感覚はいったい何だろう・・・。

しばらく鉄塔をぼ~っと見上げていると、すぐ側に”弁天湯“の文字が目に入った。何だか鉄塔に道案内をしてもらったようで、なんだかとてもハッピーな気持ちになったわたし。建物は今風のタイル様式でレトロ感はない。早速暖簾をくぐり中へ・・・。“杉並湯“の雰囲気とはまったく違い、室内も時代に合わせ変化をしてきた銭湯の姿がありました。ロッカーはお金を入れるロック式(返金型)だし、浴場内も清潔感に溢れとても綺麗。富士山の絵はなく、その代わりに赤い煉瓦調で創られた壁面が湯舟を覆うモダンなデザインが目に入る。湯船も天然石で創られかなり贅沢な造りになっている。こんな感じの銭湯が、「これからどんどん増えてくるのかなぁ~っ」と重いながら寝風呂でリラックス。なんて贅沢な時間だろう。

いつもよりは長湯をさけ、二軒ハシゴの銭湯巡礼を終了。外に出ると優しい風がほほをなぜ、商店街の街灯が「また来てね!」と見送ってくれました。
P.S. 今はモダンな造りに変身していますが、昭和4年創業で、太平洋戦争の空襲でも残った銭湯だそうです。きっと庶民の暮らしに寄り添って、長い時を生きて来たのでしょう。これからも頑張ってほしいと願うばかりである。