

2018.8.28
今月2本目となる作品はいま話題の“検察側の罪人”。それにしても2本と言う本数は、近頃珍しい・・・。そんな中選んだのが、キムタクとニノのW主演作。予告編で観て二人の演技による、攻防に目が引かれたわたし。二人ともアイドルでありながら、演技も高く評価されている。先輩後輩の枠を超えた真っ向勝負を観るのも面白い。そんな味方は不謹慎と思う方もいるだろうが、期待を込めたエールとして捉えてくれると嬉しい。弁護士をテーマにした作品は結構多いと思うが、検察側の立場で描かれた作品は珍しいかも知れない。わたしの見識が甘いのかも知れませんが・・・。
初っぱなから緊張感が溢れ、検察官になる心づもりを話す教官・キムタク(木村拓哉)と、それに耳を傾ける研修生ニノ(二宮和也)の姿が映し出され物語がはじまる。裁判員制度がはじまり、すこし身近になった裁判。だが、まだまだ知らない事や解らないことばかり・・・。そう言う意味では、とても興味をそそられるテーマである。罪を裁くことの難しさを改めて考えさせられました。何故って、ひとを裁けるほど善良な生き方をして来たとはどうしても思えない自分がいるからに他ならない。今回の作品は、内容はかなりエンターテイメントで正直こんなことあり得ないと思うが、逆にそこが創作の面白い世界の文学であり映画である。もし借りにこんな事がまかり通る世界なら、信じられるものなど一つもない。でも、観ているうちに嘘のような本当のようなそんな気分になってくるから不思議である。脇で出ている俳優さんたちはみな、力が入っていて迫力がある。特に犯人役の二人は印象的(大倉孝二と酒向芳)。悪い奴とは理屈など関係なく身勝手で残忍、そして救いようもなく理解不能であることを描いている。こういう犯人を理解しようとするのは、困難なこと。そう思うと裁判員制度など、怖くて関われたものではない。私みたいな直情型タイプには、この主人公みたいにはいかないことがハッキリと理解出来る。二宮くんは直情型の典型として描かれているが、実は真逆でクール。相対するキミタクはそのまた逆に描かれ、その対比は見事である。どちらも人間そのものである。どちらが正しく、どちらが間違いとはだれも答えられない。なぜならみな両面を持ち生きているからである。前半のリアルで重たいシリアスな演技に吸込まれ見入ってしまったが、中盤以降だんだんと話が膨らみ過ぎてしまいチョッと待ってよ!という感じになってしまいました。でも、二人の演技には拍手だし法律の深さ難しさは充分勉強になりました。やはり専門家にまかせるところはまかせましょう。ひとつだけ言える事があるとするなら、まかせた上で無視はせずしっかりと問題と向き合うことの大切さではないでしょうか?なんだかわけの解らないコメントですみません。さて、みなさんはどんな感想を持つのでしょうか?
P.S. 検察事務官・橘沙穂役の吉高由里子さんが結構キーパーソン的な立ち位置にいて、なかなか良かったです。こう言う演技を見せられると、普段TVなどで見せるとぼけたキャラがまるで嘘のよう・・・。どっちが本当なのでしょうか?