
昨年は“ひよっこ”の優しさに涙し、いま“半分、青い。”で刹那さに涙しているわたし。歳を重ねどんどんと涙もろくなっていく。人目もはばからず、朝っぱらから鼻をずるずる。“ひよっこ”では、出て来る人々がみな良い人ばかりで、こんな人たちばかりが近くにいたら幸せだろうなァ~と優しい気持になれた。こんな気持になれたのは、いついらいだろう???
そしていま放送中の“半分、青い。”に、またはまってしまっている自分。時代背景と環境が、自分の青春時代とオーバーラップしているのもその要因のひとつ。重要なアイテムの笛(マグマ大使を呼び出すもの)は、直球でこころに突き刺さる販促の品。一気にタイムスリップし、物語へとつれていかれる。主人公のスズメ(永井芽郁)の天真爛漫な清々しさに、エネルギーがもらえます。幼なじみ律(佐藤健)との丁々発止のやりとりは笑いも誘うが、見えない糸で結ばれたふたりの絆が胸キュンです。脚本は北川悦吏子さんで、この作品は彼女の素晴らしい脚本あってのものと言わざるをえない。何が凄いといえば「台詞」の重み。なかなか出てこない言葉の深みが、ドラマの中で飛び交い胸を打つ。素直にこころに届くのである。こころに残るセリフばかりで、わたしは朝からメモを取る手が忙しい。こんなに言葉を巧みに使い、ドラマを紡ぐ北川さんには降参(ゆるしてくだせ〜ぇえ、お代官様)です。実はいま、BSで30分から一回目を観て、15分後に再び見直す毎日。二度目は画像は眺めず目を閉じて、言葉(台詞)だけを聞き、ひとり深い言葉を楽しんでいます。みなさんはどうですか?
P.S. 漫画家見習いの頃の、寝袋生活(締め切りに追われ)はまさに、若き自分の経験と一致。なにか懐かしさを覚えます。あの頃があるから、いまがある。いま憶えば、良い経験をさせてもらったと感謝です。