

2018.6.19
SFミステリー“メイズ・ランナー”が、いよいよラストを迎えました。一作目でその謎の迷宮に取り込まれ、二作目で「えっ!」って急展開。そして、時間を空けての最終章。待ちに待った公開だが、一作目と二作目が続いて公開したのにくらべ、今作の公開はちょっと空けすぎ・・・。まぁ、わたしたちには解らない、映画会社の諸事情があるのでしょう?正直言って、間が空いた分熱量は下がっていて観るにも足が重い。だがシリーズものは一度見始めたら、途中で止めるわけにはいかない。まんまと商業ベースに乗っかってしまっているわたし???シリーズものは沢山ありますが、締めくくり方は本当に難しい。観客が納得する感動のラストを創りあげるのは、そう簡単ではない。残念だが、わたしの中では満足の行く作品は見当たりません。あえて名を上げませんが・・・。
シリーズものでも、一作完結スタイルの“ミッション・イン・ポッシブル”などは、実に見事なプロデュース例に違いない。最近TVドラマが映画並みにお金をかけはじめ、その境目がなくなりはじめている。“メイズ・ランナー”は、TVドラマ「LOST」の展開のように唐突に変わり、ちょっと似ている気がする。とても面白いドラマだが、長すぎる展開は観る側にもそれだけエネルギーが求められる。映画とTVドラマにはそれぞれの良さがあり、そこを間違えると悲惨な結果を生む。ここら辺を考えなければいけないのが、いま映画界の課題ではないだろうか?こころに残る作品にする、その落としどころを見つけるのも制作者の力量で才能と呼ばれるひとつに違いありません。
さて、今作は・・・。
二作目は予想外の急展開だったため、面食らった分何か印象が薄い。バイオハザードに類似した細菌汚染の猛威から人類を救う鍵は・・・、という展開は正直またか?とすこしトーンダウン。そして最後はいったいどんな終わりを見せてくれるのだろう?スタートは共に戦ってきた仲間の奪還からはじまる。いきなりのアクションシーンは、前作に結びつけるのにはちょっと時間が・・・。ようやく結びついた頃には、一作目の不思議感がなくなり同じ作品とは思えないアクション作品になっていました。運命共同体の仲間との友情が、この作品の核で最後まで描かれていたのは唯一納得の展開でした。ただ、ラストシーンは物語を完結するような感じではなく、ちょっと消化不良です。へたをすれば、四作目があるかも?とちょっとうがった想いが残ってしまいました。
若い俳優さんたちが主人公の映画は、それぞれに個性がひかり感情移入するひとも多かったはず・・・。その中でもわたしは、裏切りの友ギャリー役を演じたウィル・ポルターが、特に印象に残った。個性的な風貌はきっとこれから出てくる逸材ではないだろうか?昨年観た“デトロイト”の警官クラウスの演技は、狂気をはらんだインパクトでわたしの中に残りました。これからが楽しみな個性派男優のひとりです。
P.S. この作品は当初、シリーズ化は考えず一作品として進んでいたらしい。それが何故シリーズになったのかは知るよしもないが、一本でまとめた方が良かったかも???