

2018.4.13
前作ですっかりはまってしまったわたし。新作に大きな期待をしての鑑賞になり、劇場へと・・・。前作を監督したギレルモ・デル・トロは製作に周り、新監督にTV出身で今作が長編大一作となるスティーブン・S・デナイトが受け継いでの作品に。デル・トロ監督は今年度アカデミー作品賞を受賞したひとで、自他共に認める日本の漫画や怪獣オタク。そんな監督が創った第一作は、オタク度満載のロボットSF作品になり、わたしのこころを満たしてくれました。今作はその続編は前作より10年を経た時代設定でスタートする。近未来の話はKAIJUは別にしても、巨大ロボット(イェーガー)はいつか観る日もそう遠い日では無いかも知れない。そんな風に思って観るとまた、楽しさが倍増する。この作品ほどの巨大なロボットはないにしても、今作で活躍した個人専用ロボ・スクラッパー(アマーラ専用)は、近い将来必ずわたしたちの前に姿を現すことでしょう。
さて、感想です。10年後ということでイェーガーも進化しバージョンアップ。某コンピューターメーカー同様、呼び名を世代別に分け、最新機種を第6世代と呼び前作よりかなりスタイリッシュなデザインに変わっています。でも他の作品の造形に酷似しているものもあり、個人的にはそんなに新しさを感じません。むしろ前作のやや野暮ったい雰囲気の無骨な形態のイェーガーにわたしは引かれます。例えばガンダムのように・・・。個人的な思考だと解ったうえでの意見ですので、お聞き流しください。ちなみに前作のチェルノ・アルファ(第一世代)だが、ロボットと言うより重機みたいでだ大好きでした。クルーもロシア人夫妻で、なんかいかにもの存在感があり、あっさりKAIJYUにやられてしまうのですが格好良かったです。形態があまり洗練されると、どうしても現実味から離れてしまい冷めた目で見てしまう自分がいます。わたしだけでしょうか?まぁ、もともと荒唐無稽な話に、「何、語っちゃってんの?(笑い)」ですが・・・。
配役は前作から引き続き出ている人に加え、新メンバーのフレッシュな顔ぶれが加わり躍動しています。前作に続き森マコ役の菊地凛子は、役柄だけでなく堂々とした貫禄さえ感じる演技で脇を締めていましたし、新加入の中に新田真剣佑頑張っていました。日本人俳優がもう当たり前にハリウッド映画に出る時代が来ています。嬉しい限りです。ただ、前作にくらべ乗組員たちの個性表現があまりに薄い感じがします。先ほども言いましたが前作は、クルーの個性と各イェガーの造形がピタッとリンクしていて、みなカッコよかったので・・・。デル・トロ監督の作家性がそのあたりにもしっかりと見て取れました。
VFXがどんどんスキルアップされ観客の目を満足させてくれるのは嬉しいですが、CG技術の向上と共に想像力豊かな物語(中身)が沢山生まれると嬉しいのですが・・・。ちょっと技術の勢いに負けてしまっている作品が増えているのは、間違いない事実。そこらへん何を期待して観るのかで、この作品に対する評価は分かれてしまう気がします。進化が必ずしも良くなるという事でないことを、ある意味証明してしまった作品ではないでしょうか?面白いところはちゃんと引き継がれています。ただデル・トロ監督のオタク感を求めているファンには、ちょっと消化不良に思えるそんな映画です。デル・トロ監督のこだわりにはほど遠い続編になってしまった気がします。スマートなカッコ良さだけが輝くのではなく、真逆の良さにも光があることを思い知ったわたしでした。
※次回作の匂いを残したラストでしたが、もし叶うのであればもう一度デル・トロ監督にメガホンをとってもらいたいと、わがままを言って感想とします。