

2018.3.27
アンジェリーナ・ジョリーの名を決定づけた代表作、“トゥームレイダー”が生まれ変わって公開されました。主人公のララ・クロフトはマニアには知られたゲームシリーズ“トゥームレイダー”のアクションヒロイン。同ゲームキャラで有名な“バイオハザード”シリーズのアリスと双璧と言っていいキャラクターのヒロイン。どちらもゲームファンのみならず映画ファンをもうならせる、カッコイイ女の代表である。
今回リメイクされた新作“トゥームレイダー”は、ララ役に若手演技派女優アリシア・ヴィキャンデルを迎え、新しいララを遺憾なく見せてくれる。アリシアは“リリーのすべて”でアカデミー助演女優賞を獲得し、いまやハリウッドで最も注目されている女優さんのひとり。アンジーとはまた違う光を放つ、彼女がどんなララを演じてくれるのか期待大。“光をくれた人”という作品で彼女の清らかな美しさに引かれたわたしだが、アクションのイメージがどうしても湧いてこない・・・。そんなところも興味がつきない作品である。
さて、感想です。新制ララ・クロフトは、アンジーが演じたララを全くと言っていいくらい派手さがない。というとなんか駄目だしをしているかのようだが、そうではありません。前のシリーズのララは、女版のスーパーマンとでも言うかとにかく強く、シャープに研ぎ澄まされた頭脳と肉体を駆使して冒険を集結させるスーパーヒロイン。もちろん格好良くそして美しい憧れの存在である。比べられること自体をきっと想定しての作品づくりが、今作品には見て取れる。あれだけ印象強く描かれたアンジーのララを、また同じように創ってはクリエーターとしての意地が許さないと挑んだに違いない。だからこそあえて真逆のイメージをもつアリシアに白羽の矢を立てたに違いありません。監督したロアー・ウードックの作品は観るのがはじめてだが、製作への拘りはわたしには充分伝わってこれからの展開がまたひとつ楽しみになりました。前作が完璧なスーパーヒロインだとするなら、今作は人間味溢れる等身大の人間ララ・クロフトの登場である。わたしたちと同じ怒りや悲しみを抱え、迷いながらも生まれながらに持った強い好奇心に突き動されるそんな女性がそこにいる。アンジーのような色気は皆無だが、なんかほっとけない危うい魅力満載のララ・クロフトの登場となっています。
物語はララの生い立ちに迫り、プロローグ的要素を多分に含み女性トレジャー・ハンターの誕生編と言った作品に仕上がっています。謎解きから始まる展開は前作同様ですが、新しい解釈でオリジナリティを出すことにも余念がない。ララと言えば大金持ちで、冒険の資金には事欠かないセレブがイメージ。ところが今回は、アルバイトで生計を立てる超貧乏生活で暮らすララが・・・。ちゃっかり無料で格闘技を学ぶ発展途上にいる彼女の姿が映し出され、自分を投影する形がとられています。父親の残した遺言メッセージも邪馬台国のヒミコが出てきたりで、日本人にはたまらない導入の脚色になり最後まで息つく暇のない物語に仕上がりました。
さて、みなさんはどんな評価をすることでしょう。ゲーム感覚が満載だった、前作とはまた違う新星ララ・クロフト。個人的にはどっちも魅力いっぱいですが、比べられません。どうぞ劇場に足を運び、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか?あなたはアンジー派、それともアリシア派・・・。