![]() ![]() 2018.1.29 懐かしの名作“ギルバートグレイプ”を観に寒さをこらえ劇場に・・・。1994年の公開時に観たのだが、改めて観て当時とはまた違った印象と感動を覚えました。紛れもない名作です。この作品には、ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演していてとても初々しい演技が心をうちます。ディカプリオ19歳の頃ですが、すでに二人とも大物になるオーラを感じさせます。実に繊細なこころの動きを見事に表現していて、あらためて二人の凄さを実感しました。ディカプリオはこの作品の演技でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、将来を嘱望される若手俳優として注目をあびました。もちろんジョニー・デップも・・・。デップは最近ややあくの強いキャラが多いので、こういう役をもっとやって欲しいと強く感じました。力のある人なので、個人的意見ですがもっと素のままの繊細なお芝居も沢山観て見たいわたしです。でも、“シザー・ハンズ”は最高です。見た目ジョニーだとは解りませんが・・・。 さて、物語はアメリカアイオワの小さな街に暮らす家族の絆を描いた作品。閉鎖的だが穏やかで、とくに大きな事件などなく日々淡々と生活する人たちがいっていの距離感で暮らす街のお話。主人公の青年ギルバート(デップ)は重度の知的障害を持つ弟アーニー(ディカプリオ)と7年間も家から出たことのない過食症の母、そして二人の姉妹と5人暮らし。生活は楽ではないがなんとか生きて行ける。家族内でときには言い争いもするが肩を寄せ合い静かに暮らしているギルバート。だが悶々とした閉塞感の中暮らすその生活に決して満足している訳でもなく、背負ってしまった運命のようなものを自分なりに受けとめ何とかバランスを保っている。そんな時、旅の途中でトレーラー故障し街にしばらく留まることになったベッキーど知り合う。ひと目観た瞬間に引かれ合う二人は、自然と距離を縮めていく・・・。 田舎町の日常をベースに淡々と暮らす人たちと平和な街が描かれてはいるが、何か刺激になることがあると群がるという危険をはらんでいる。閉鎖的環境であればあるほど、その根は深い。その辺りが考えさせられるテーマとなっていることに、改めて考えさせられる。一生懸命に生きているだけなのに、それが許されない社会。そんなテーマがこの物語の奥底に隠れています。感動的なシーンも多いが、ある意味怖さも感じる物語である。小さな街だからこそ、些細なできごとが大きな話になり生きて行くのに我慢を強いられる。いっぱい泣いて、また考えさせられました。最期は多少救われるが、根本的な解決には至らない。これからどんな生活を彼らを待つのか、とても気になる作品です。 今回改めて観た劇中のセリフで、ギルバートとベッキーが交わす「雄と雌のカマキリの交尾」を観ながらのシーンがなにか意味深で深い。“どう交尾するか知ってる?雄が雌に忍び寄ると、雌は雄の頭を噛みちぎるの。雄は交尾を続けるんだけど、交尾が終わると雌は残りの身体も食べちゃうのよ”さらっと言ってる言葉だが、なにかとても深い意味を感じてしまいます。ちょっと考え過ぎ!!って・・・そうかも知れませんが・・・。 デップもディカプリオも素晴らしい演技で引き込まれますが、まわりの人たちもとても印象に残る演技でした。恋に落ちるベッキーを演じたジュリエット・ルイスがとてもチャーミングです。個性的な面立ちですが、とてもナチュラルな感じで魅力溢れる存在感を出しています。“ケープ・フィアー”ではじめて観た時、いつか出て来る俳優さんと思ったわたし。“ナチュラル・ボーン・キラーズ”ではかなりヤバイ女を演じちょっとビックリさせられました。全然違うキャラですが、自然体といえば自然体。実生活では歌手でもありそれもパンクロックだそうです。納得!!! 余談ですが、ブラピと同棲していた時期もあったようできっと魅力溢れるひとなのだと思います。最近あまり観ないのがとても残念です。 P.S. お母さんボニー役を演じたダーレン・ケイツさんの存在感色んな意味凄かったのですが、あの役を演じる覚悟はハンパないことだったと思います。自責の念に苛まれながらも、母性で包み込む姿は優しさと強さに満ち素晴らしかったです。残念ながら2017年に69歳で生涯を閉じられました。没後ディカプリオは彼女のことを「最高の母親」とメッセージを送っています。合掌。
by eddy-web
| 2018-01-30 00:00
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