2018.1.22
ポイントが溜まると一本ただになる、ちょっとお得な劇場サービスがある。時折使うのだが、あえてあまり普段選ばない作品に使うことにしている。今回はそのチケットを使い、大雪の中伝説のロボットアニメ “マジンガーZ/INFINITY”劇場版を観に来た。往年の名作は実に45年ぶりの復活。「そ~らにそびえる、黒金の城。スーパーロボット マジンガーZ」のテーマ曲からはじまるオープニングが懐かしい。TVの前で釘付けになって観た世代には、たまらない響きのその曲は今なお胸を熱くする。原作は永井豪氏。画業50周年ということで創られたプロジェクトを率いて、70年代に子どもたちのこころを鷲掴みにし最高視聴率30.4%(スペインでは80%)をたたき出した名作アニメの復活である。間違いなくアニメブームを創った先駆けの永井さんの作風は、リアルとギャグを併せ持った独特のスタイルは今作でも健在。シリアスなストーリー展開の中でも、必ずと言っていいほどギャグを絡めてくる。デビュー当時に大ヒットした作品が“ハレンチ学園”というエロチックギャグ漫画で、漫画内で描かれる「スカートめくり」が当時PTAなどから強い批判を受けた『子どもには見せたくない作品』として社会現象まで引き起こしていたことが思い出される。いろんな意味でその世界観は当時ブームを巻き起こし、時代を席巻したことは間違いない。ちなみに“マジンガーZ”は、アニメが先に創られている。世に名を残す漫画家は多いが、この人も間違いなくそのひとり。
さて、45年ぶりの物語はTVアニメ最終回から5年後という設定で始まる。主人公・兜甲児をはじめ懐かしい往年のキャラが顔を揃え、それだけでも嬉しくなる。まして当時のアニメとは比較にならない、3DCGという最先端技術を駆使した映像はファンにとってはたまらない。Dr.ヘル率いる個性豊かな機械獣たちもカラフルな出で立ちで登場し暴れ回るが、それをバッタバッタとなぎ倒すマジンガーのカッコイイこと・・・。物語はDr.ヘルの人間との共存共栄という提案の展開だが、はたしてそれは???といったところ。劇場に行って確かめてください。大人になった甲児とさやかの関係にも終止符が・・・。その決め台詞が、まさに永井ギャグで会場から笑いがもれていました。
死の直前に父十蔵博士が甲児にマジンガーZを与え、「お前は神にも悪魔にもなれる」と言った言葉がしっかりと受け継がれたコンセプトは、単に娯楽作品だけではないことをファンはしっかりと受け止めた事でしょう。すくなくともわたしは受け止めました。
P.S. 水木一郎のオープニング曲はもちろん感動ものですが、今作で使われた吉川晃司のエンディングテーマが実に良かったです。俳優としての活躍が著しい彼ですが、今回自ら書き下ろした「The Last Lerter」をひっ下げミュージシャンとして戻ってきました。彼自身“マジンガーZ”をリアルタイムで観ていた大ファンだという。その想いが哀愁を帯びた名曲となって映画をよりもり立てています。※永井さんの作品で一番好きな作品は“デビルマン”で、こちらもぜひ劇場版を観て見たいとひとり願うわたしです。