

2018.1.10
「あけましておめでとうございいます。」2018年の幕開けです。昨年は近年まれなペースで映画鑑賞をしました。楽しい時間を過ごせたことにこころから感謝です。
さて、今年第1作目にチョイスした作品は“キングマスン:ゴールデン・サークル”。前作を観ていないので、わたしには初物。スパイ映画と言えば“007”をまず頭に思い浮かべる。長い歴史を作りいまもなお、その人気は衰えを知らない。そんな名作を生んだイギリスが新たに挑み「スパイ映画の復活」と高い評価を得た前作。興行的にもまずまずの成績を残し「スタイリッシュで破壊的であり、何よりも楽しい」と当時批評されていたようです。その第2弾となれば期待も膨らむ。
鑑賞後の感想ですが、確かにスタイリッシュと言えばそうでした。英国の伝統を匂わす気品溢れるスーツをピシッと決め、小道具への拘りも半端ない演出はこれぞ紳士の証と贅沢な限り・・・。ボンドもそうですが英国秘密情報部員(スパイ)は、どの国とも違う品の良さがある。これこそが伝統に裏付けされた拘りなのでしょうが、わたしなどにはとうてい近づくことのできない世界観があり、観るだけでお腹いっぱい。(ヒガミ半分)そんなバリバリの見た目紳士たちが、実は世界のどこにも属さないスパイ組織で活躍するエージェントとはだれが想像するだろうというのが、原作コミックの物語。組織の場所も表向きは、ロンドンにある紳士服の高級テーラー。まさに贅沢の極みをふんだんに使い、およそ見た目とは違う優男がハチャメチャな武器とアクションで相手を倒す(倒すと言うより壊す)という映画は新感覚のスパイ作品になっています。時間も忘れあっという間の出来事で終了。あくまでも個人的意見ですので聞き流してほしいのですが、わたしの好みとはちょと違うタイプの作品でした。確かにスタイリッシュだし、派手なアクションシーンは破壊的で楽しくも映る。ただなんて言ったらいいのか、乾いていて人肌を感じる事が出来ない。そんなものは必要ないと言えばそれまでなのだが・・・。昔みた007“ゴールド・フィンガー”でボンドガールの女ジルが裏切りの報いで殺されたシーンがある。全身に金粉を塗られての窒息死(皮膚呼吸)という演出の衝撃は、いまでも忘れられない。ショックと同時に美しいその姿がなんとも言えないインパクトで、そのシーンはこころに刻まれた。思うに、こう言う演出をスタイリッシュというのではないでしょうか?わたしが古いのでしょうか?美学への考えはひとにより価値観が違うとは思います。でもわたしの中でのスタイリッシュとは、「ドライではなくクール」。今回の“ゴールデン・サークル”でも殺戮シーンがふんだんに盛り込まれ、息つく暇ないアクションの連続。確かにカッコイイです。でもゲームでもしているような命のやり取りをする感覚は、わたしの中には入ってきません。結構エグイ殺しのシーンも、笑い(ブラック)に変えての演出でしたが、わたしは笑えませんでした。久しぶりに批判的な感想を述べてしまいました。単純に好みではないというだけのことですので、ご理解していただきたく思います。これをきっかけに、前作の観てみようと思います。
P.S. 余談だが007の金粉前身塗りでの窒息死は、都市伝説で皮膚呼吸が出来なくなり死ぬことはないとのこと。この映画の影響はいろんな意味で凄かったようです。実際、撮影は医師を立ち会わせて行われたと逸話が残っています。