2017.12.27
2017最後になるかも知れない、映画鑑賞。選んだのは“ギフテッド”。何の情報も入れず、ただキャプテン・アメリカを演じているクリス・エヴァンスが出ていると言うことだけで足を運びました。アベンジャーズの中では、飛び抜けて頑固な義を貫くヒーロー。頭は固いが絶対に裏切らないと思わせるいいキャラは大好き。そんなアメコミヒーローを演じる彼が主役で、親子の絆を描いたヒューマン・ドラマとなれば自然と足が向きます。
昔から映画興行には「子どもと動物」を出せば、間違いなくヒットすると言われています。ひねくれた言い方をすると、観客は可愛いものに目がなくまた、涙を誘う演出に弱いという狙った戦略である。観客をなめた感も否めない考えだが、あながち間違ってなくもない。日本人はとくにここが弱点。とは言え、子どもを主人公に据えた作品には名作が多い。“禁じられた遊び”“汚れなき悪戯”など昔から数多くの名作、秀作を世に残して来たのも事実。それはただお涙頂戴の子どもに頼った作品づくりではない、ひとのこころに響く深い中身があってのこと。わたしの記憶の中では、駄作と言うような作品はほとんど見当たりません。結局マスコミが後付でつけた、業界への皮肉を込めたメッセージだとわたし自身感じています。
さて、“ギフテッド”ですが勝手な思い込みで、タイトルからよくある親子の愛情物語と予測しての鑑賞でしたが、良い意味で裏切られました。そもそも“ギフテッド”(gifted)は、贈り物を意味する英語のギフト(gift)が語源で、神または天から与えられた“資質”または、遺伝による生まれつきの「特筆」を言うらしい。アメリカ教育省は、「同世代の子どもと比較し、突出した才能を持つ子どもの事」と定義しているらしい。ようは簡単にいえば天才のこと。と言う訳でそんな子どもを持った父(厳密には叔父)と娘のこころの絆を描いた作品である。紆余曲折の複雑な展開が二人の関係に割って入るのだが、互いを必要とするこころはだれにも邪魔出来ないということを教えてくれる。よくある話のようだが、親子の確執を2世代を通じて描いているところがみそ。見終わって感じたのは、どんなに凄い(天才)子でもこころは硝子のように傷つきやすく壊れるという事実。大人の身勝手な思い込みで、生涯を決めては絶対にいけないと教えられました。自分の人生は、自身で選ぶ権利があるのだと謳っています。2017年を締めくくるにふさわしい映画に巡り会い、来年がまた楽しみになりました。気持ちの良い涙を流し、汚れを洗い流したいひとは是非、ご鑑賞を・・・。
P.S. 父フランクを演じた、クリス・エヴァンスとても良かったです。ヒーローものでも地味系ですが、人の良さが画面から溢れ出ています。ますますファンになりました。あとやっぱりなんと言っても娘メアリーを演じたマッケナ・グレイスが凄いです。11歳とは思えない演技でこころを鷲掴みされます。おしゃまでキュートなこの子の将来がいまから楽しみ。どんな女優さんになって行くのでしょうか?脇を固めた俳優さんたちも、とても良い感じで出しゃばることなく二人を支えています。この作品を監督したマーク・ウェブは、シリーズの中でも特に大好きな“アメージングスパイダーマン”を創ったひと。この人からも目が離せません。次回作が楽しみです。