2017.11.20
“オーシャンズ11”シリーズのスティーブン・ソダーバーグ監督最新作“ローガン・ラッキー”を鑑賞。ソダーバーグ監督は4年前に映画界を引退し、TVの世界に活躍の場を移していたひと。人気も評価もされていた監督がなぜ?と誰もが思っていた残念な引退劇。いろいろと憶測もあるが、監督のみ知る結論だったのでしょう。その監督が脚本を読み、この作品は絶対に自分の手で創りたいと思わせた作品。その脚本は新人レベッカ・ブラントが書いた処女作品。監督にその作品を持ち、だれに持ち込めばいいかアドバイスを受けに訪ねたのがきっかけだったと聞く。沈黙を守ってきた監督をその気にさせた作品は、見事に映像化されラストの感動へと・・・。エンドロールのスクリーンに映し出される「本作で強盗にあったのは、あなただけ!」の意味は、あなた自身が劇場で確かめてください。小気味良いラストは、こころの中で思わずガッツポーズ。
ジョンデンバーの名曲“カントリー・ロード”の曲が何度も流れ、この作品のコンセプトにぴったりなことは物語が進むにつれ浮かび上がる。この曲は、宮崎監督の“耳を澄ませば”で使われ再ブレイクしたが、今回その原曲の詩の意味を知り深く感動を覚えました。作品はダメダメな人生を歩んで来た男の、一発逆転を描いた物語。豪華な役者を揃えサプライズ的な使い方をした、結構贅沢な作品である。主人公のジミー・ローガンを演じるのは、ストイックさで有名なチャイニング・テイタム。“フォックス・キャッチャー”の演技がわたしの中で強く印象に残っています。弟クライド役は、いま乗りに乗っているアダム・ドライヴァー。癖のある顔立ちだが実力派の若手No1。そして今作のキーマン(伝説の爆破師)を演じるのがダニエル・クレイグ(007ボンド役)。これだけでもすごいのだが、さらっと出てくるメンバーの凄いこと。ヒラリー・スワンク(ミリオンダラー・ベイビー)にキャサリン・ウォーターストーン(ファンタスティック・ビースト)、ライリー・キーオ(プレスリーの孫)など超豪華。ソダーバーグ監督とは、作品で共演したひとたちも多い。何をやってもうまくいかない男だが、だれよりも愛に飢えそしてだれよりも愛が深い。そんな男に惚れ込んだガラクタ集団が仕掛ける現金強奪のミッションの結末は・・・。ラストに娘との愛を選んび終わったと見せかけ・・・???この先はご自分の目で確かめてください。あなたも思わずガッツポーズ間違いなし。
P.S. ダニエル・クレイグがこんなはじけた役をやるとは思いもしませんでした。役者さんって本当に奥が深いです。久しぶりのヒラリー・スワンクさんも、キリッと閉め役に徹しカッコ良かったです。見終わった後、アメリカ映画の懐かしく力強いエネルギーを久しぶりに感じることが出来ました。ソダーバーグ監督には、これを機にますます頑張ってわたしたちを楽しませてほしいものです。