2017.11.03
SF映画が立て続けで公開されています。中でも若者に人気のあるDCとMABELの対決もファンを多いに楽しませてくれている。アメコミが元の作品は、日本の漫画とは違い基本勧善懲悪の世界が描かれ単純明快。ただ最近はノーラン監督の“バットマン”で観られるように、人物像の内面にせまる人間味あふれるテイストが演出の軸のものも増えている。異論を唱えるファンも多いが、わたしはとても好きな世界観である。DCとMABELもそれぞれ特徴があり、独自のポリシーで打ち出しているようにみえる。似て非なりのヒーロー像の表現は、ファン層が分かれることでしょう。ちなみにわたしは人間味に引かれるので“バットマン”が一番好きなキャラクターです。他はみな同じくらい好きで順位はつけられません。
さて、今回観た“マイティ・ソー・バトルロイヤル”は秋の娯楽SF作品第1弾。この後、“ジャスティス・リーグ”、“ブラック・パンサー”と続き暮れにはいよいよ“スターウォーズ”が公開される。ファンにはたまらない季節となりました。“マイティ・ソー・バトルロイヤル”はMABELがシリーズ化している“アベンジャーズ”と繋がる展開の物語。キャラもお馴染みのヒーローに+Newキャラが登場しての、番外編と言ったところ。さて感想だが・・・?単品ものと違いお祭り的な演出がどうしても強くなる集団もの。良くも悪くも、ファンはいろいろな感想を持つ事だろう。単純に楽しむだけなら、昔東宝が創っていたゴジラ中心の怪獣総出演ものと同じコンセプトである。もちろん時代が違うので映像表現技術や内容に至っても比較にはならない。でも、興行側のコンセプトは間違いなくいっしょ。お客が喜こぶものならば、その辺はどうでも良いことでノープロブレム。何か遠回しで確信に入れない自分だが、本音で言わせていただきます。少しコミック色が強く、サービス過剰になっている感がある。随所にコントまがいのやりとりがあり、すこし鼻につく。笑えるのだが、そこはいらないだろうと思うところもある。新しいキャラも魅力的なのだが、あまり深くは切り込んでいない。結局面白かっただけで終わってしまった気がします。
CG技術もさんざん見せられて来たので、よっぽど凄い表現でも出てこないと感度は薄い。そういう意味では、創る側も大変である。常に上を目指す努力を続けなければならない。表現者の宿命とでも言うべきか、そこにはプロとしての気概が求められる。みな真剣勝負で仕事に挑んでいる。それでも結果がすべての厳しい世界だからこそ、やり甲斐もあり得るものも多く楽しいのである。すみません、偉そうで生意気な発言になりました。
今回の作品で一番魅力的だったのは、敵役のへラ。コスチュームデザインやメイクもカッコいいし、ケイト・ブランシェットの圧倒する存在感は凄い。流石アカデミー賞女優さんは、手を抜きません。あと、裏切りの王子ロキがキラッと輝いてます。悪役から味方への怪しい存在感がたまりません。いつものコスチュームとかぶり物も板につき、スタイリッシュ。アメコミの世界では良くあることですが、悪役のキャラは実に重要。だからこそ魅力があり、不思議ですがファンも多いのでしょう。ジョーカーなどはその最たるもの。劇場の中で隣に座った若者ふたりが、そのジョーカーのことを熱く語っていました。耳がダンボ状態になりましたが、ものすごく親近感を覚えました。こんなことを感じられるのも、アメコミ映画のいいところかも知れません。
P.S. ソーの短髪は個人的に反対です。ソーはやはりロン毛で無くちゃ・・・。なにか他の作品出演とのからみでもあるのでしょうか?そんなことを考えてしまう変なわたしです。