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よもやまシネマ340 “ビニー/信じる男”
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2017.8.24

マーティン・スコセッシ監督が制作総指揮をした作品“ビニー/信じる男”を鑑賞。実在のプロボクサー・WBAスーパーウェルター級王者ビニー・パジェンサの奇跡の復活をもとにした実話である。王座を獲得した直後、自動車事故により脊髄を損傷し二度とリングに戻れないと言われた男の物語は、奇跡というよりは彼自身の努力で掴んだ真実を証明してみせた映画になっている。いままでもボクシングをテーマにした、映画史に残る名作はいくつもある。実話もあるが脚色されたものまであるが、例えば“ロッキー”は知らない人はいない名作。主演のシルベスタ・スタローンを無名の俳優から世界へと一気に押し上げた事は誰しもが知る話。彼自身が脚本を手がけ、自ら売り込み大ヒットさせた傑作。売れない下積み役者だったスタローンがTVで観戦した、「アリ対ウェプナー」の試合で思いついたシナリオ。脚色はあれど、チャック・ウェプナーはロッキーそのものの生活を送っていたボクサー。まんざら嘘の話ではないからこそ、あれだけ感動を呼び大ヒットしたのだ。“ロッキー”は、その年アカデミー賞作品賞ほか多くの賞を総なめし伝説の一本になりました。またこの他にも“レイジング・ブル”“ザ・ハリケーン”“シンデレラマン”など数多く名作を生み出しているが、これらはみな実在の人物をもとにしたものばかり・・・。「事実は小説より奇なり」とは言うが、プロスポーツ界はまさに宝の山である。特に格闘技においては生きざまがストイックで、一般人にはたまらない未体験ゾーンが拡がる。間違いなく、ある意味ヒーローなのである。
今作品も実話がもとの話だが、観るとまさに奇跡としか言いようがない。嘘みたいな話だが、これが本当だと知ると人間の持つ底力とは無限なのかと驚かされる。どんな人間もすべてがこう出来るかは、正直難しいとは思う。映画は余計な脚色を排除したような展開で、地味でドラマチックな感動はあまりない。その分ひたすらリアルを追求しているのが、いままでのボクシング作品とは一線を引いている。事故後に脊髄を支える器具がまるで拷問機器に見えリアルで痛々しい。医療技術が発達する現在から考えると、嘘のようなアナログ的器具でそんなんで大丈夫かと思ってしまう。ボルト4本を頭蓋骨に直接穴を空け固
定するそれは、にわかに信じがたい。でもエンドロールで実際のビニーの映像が映し出され、全く同じものが使われていたのを観た瞬間、この真実に驚愕する。主役のビニー・パジェンサを演じたのが、マイルズ・テラー。アカデミー賞3冠を受賞した“セッション”での演技もまだ記憶に新しい。あの時も異常なほどのストイックさで、わたしたちを圧倒した彼。まだ若い俳優さんだが凄いのひとこと。こう言う役が実によく似合う俳優さんである。この作品でも10キロの減量をし撮影に臨んだそうである。演じる側もストイックでないと、このような作品の成功は無いのかも知れない。それが事実ならなおさらである。そしてもうひとつ驚かされるのが復帰戦の相手。有名な4階級制覇のロベルト・デュランだったとは、さすがに驚いたわたし。「石の拳」の異名をとる世界屈指のチャンピオン・デュランが相手だったとは予想もしなかった・・・。ボクシングを知らない者でもデュランの名は知っているボクサーのひとり。その結果を知らないわたしは、良くて引き分けの展開を予想した。さらに最悪は「あしたのジョー」のラストを思い浮かべていた。がしかし、結果は王座奪取である。これを奇跡と呼ばずして、なんと表現すれば良いのだろう。本当におきた凄い実話は、言葉に表せない感動をくれました。どんな状況でもあきらめないことの素晴らしさを教えてくれる、教科書のような作品です。格闘技ファンはもとより、煮詰まっている一般のひともみんなで見に行きましょう。
ただ、公開は今日までで、今後は名画座あたりでの公開となります。ぜひ、劇場で・・・。
P.S. トレーナーのケビン役を演じたアーロン・エッカートもビニーをしっかりと支える献身的な役を見事に演じてくれました。このケビンも実在の人物であのマイク・タイソンを育てたひとだと知りました。やっぱ、奇跡というのはひとがひとを創り起こるものなのだと思いました。
by eddy-web | 2017-08-25 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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