2017.7.19
ジブリを卒業した米林監督が、はじめて描く長編アニメ作品“メアリと魔女の花”を観た。ジブリのスタッフとして長きに渡り、宮崎監督や高畑監督と仕事をし、在籍中の抜擢で二作品を残した米林監督。その二作品“借り暮らしのアリエッティ”“思い出のマーニー”も高く評価されこれからという時のジブリ解散。宮崎監督の引退とともに、スタジオ・ジブリはひとつのけじめをつけました。世界中のアニメファンがショックを受けたのは、紛れもない事実。がジブリの魂はしっかりと受け継がれ、待ちに待った新作を米林監督が発表です。さて、出来映えやいかに・・・。
まずは米林監督の前作二作品だが、わたしはとても好きである。宮崎さんでも高畑さんでもない、色がちゃんと生まれでていたそんな作品はどちらも優しさに溢れ涙を誘いました。今回はある意味独り立ちした、はじめての作品になる訳できっとプレッシャーもあったかと思います。そりゃそうですよね、大巨匠二人に挟まって20年も作品を描いてきたのですから・・・。正直なコメントを今日は書かせてもらいます。全体としては、ジブリ時代と変わりなく美しくよくまとまった作品に仕上がっています。実は予告編を観た時に、アレっ!!と思ったわたしがいます。そして、残念ですがめずらしく観たいという衝動が湧きませんでした。それは、どこかで観たようなシーンが多く、脳の中を駆け巡ったからなのです。そしていざ鑑賞してみると、その疑問がやなことに鑑賞しながら出て来てしまい、これは「ポニョ」これは「ハウル」、そしてこれは「魔女の~」ってな具合に場面が浮かんで来てしまい、物語に浸れない自分がいました。さらに悪いことにアニメ以外の映画(ハリーポッターや赤毛のアン)まで思い浮かぶ始末。これではいけないと、途中でスイッチをOFFにしニュートラルな気持で鑑賞するようこころがけちょっと疲れたわたし。これってわたしだけが感じたことでしょうか?見終わっても、いつも沸き上がる感動がいまひとつありません。辛口になってしまいますが、ジブリの呪縛とでもいうようなそんな感じさえ受けてしまった作品です。ジブリファンも大勢観ているので、叱られるかも知れませんが「ジブリではない新しい創造」を期待していました。それは並大抵なことでは出来ないこと。長くジブリに関わってきた米林監督だからこそ、そこに挑戦してもらいたかったと思っています。アニメ界を引っ張ってきた事実は誰もが解っていて、みなジブリが大好きです。でもいま、ジブリとは違うスタイルの新しい若い力がアニメ界に現れ、次々に名作が誕生しています。例えば昨年公開された“君の名は”を筆頭に“聲の形”“この世界の片隅に”“バケモノの子”など、ジブリ以外でも素晴らしい作品が登場し私たちを歓喜させてくれました。才能ある若いクリエィターが続々と登場し、サブカルの世界の代表とし世界のひとをアッと言わせています。これは間違いなくジブリという先駆者がいたおかげ・・・。しかし時代はさらに新しい世界を求め、動きだしさらなる創造を期待しています。なんだか熱く語ってしまいましたが、いちファンの戯言としてお聞き流しください。
アニメ大好きなファンのひとりとしての、わがままを言わせてもらいました。気を悪くしないでください。音楽を担当した
SEKAI NO OWARIの、“RAIN"がとても気持のいい曲で癒されます。やっぱ、音楽って大事ですよね!