2017.7.11
2日続けての映画鑑賞。少し前までは見たいと思う作品があまりなく、“午前十時の映画祭”で名作をあさっていた。やっと興味を引く作品が出始め、時間の隙間をついて衝動鑑賞。作品は“LIFE”。宇宙を舞台にした、SF映画はタイトルを「ライフ」と名付け近未来に起こりうるであろう、人間対地球外生命体との攻防を描いている。これまでも数々の未知なる生命体をテーマにした作品が創られている。なんと言っても映画史に残るのは、リドリー・スコット監督の“エイリアン”である。はじめて観たときの衝撃とその卓越した映像表現には、みな驚愕し恐怖の淵へたたき落とされたもの。今観ても、空恐ろしい物語である。シリーズ化されると、質が下がるのが一般的だがこの作品は常に高いレベルを保ち大いに楽しませてくれました。プレデターと合体してからは、完全に娯楽作品になってしまったが・・・。それでも、結構楽しめる。さて、NASAなどの学説ではもはや荒唐無稽の世界とは言いがたい地球外生命体の存在。やはり興味をそそるテーマである。今回の作品には強い興味を引かれ、鑑賞に挑みました。火星から持ち帰った生命体を宇宙船内で調査しながら、地球に持ち帰るというミッションに挑むクルー6名。各国の優秀なスタッフを集めた、まさに近未来の宇宙計画のひとつ。かなりリアルな設定で、ぐいぐいと画面に引きずり込まれる。あたかも自分がクルーのひとりになったかのような錯覚さえ覚える。無重力の世界などが上手に表現に生かされ、宇宙空間の中での制限された行動に息を飲むことしばしば。予測不可能な展開は息が詰まる。もし現実に起こるかもと想像すると、まさに恐怖である。“エイリアン”ほど造形的には優れていないが、海月のようなその形状は妙にリアルで怖い。だが、成長するに従い定番のモンスターに変化を遂げる。個人的にはここらへんは新しさは感じられないと言っておこう。“エイリアン”ではその造形をスイスの画家H・R・ギーガーガ担当したことで、今までに無いシュールで新しいキャラクターを世に送り世界中を驚かせた。ギーガー自身もこれにより、有名になったことは事実。その後も多くの映画作品のアートワークに参加し、デザイナーとして知られるようになった。それと比べては申し訳ないが、進化した今作品の地球外生命体(カルビンと命名)は、エイリアンほどインパクトはありません。海月のままの海綿体がよほど良かったと思うのは、私だけでしょうか?さて、みなさんの評価はいかがでしょうか?さあ、みなさん観に行ってください。そして感想を聞かせてください。
一番わたしが気に入ったのは、ラストシーンです。こうでないと面白くありません。
※日本人クルーのショウの役で、真田広之が出ていますがいい味をだしていてなんか誇らしくさえ思いました。日本の俳優さんが随分と活躍するようになったいま、アカデミー賞を獲る日もそう遠くはないかも知れません。
P.S. アカデミー賞ですが、その昔(1957年公開)早川雪洲というひとが“戦場に架ける橋”で助演男優賞候補になったのがはじめ。国際俳優の草分け的人物がこの方。名匠デビット・リーン監督の名作は、映画史に残る傑作。みなさん、国際俳優と言えば世界の三船や渡辺謙さん、そして松田優作さんなどを思い描きますが、早川雪洲さんが元祖です。覚えてください。