2017.7.03
幼き頃より時代劇と西部劇が大好きだった。今思うに、この頃から武士道や騎士道に憧れていたのかも知れない。時代劇の中でも忍者ものがとくに好きなあわたし。TVや映画にはまる前はやっぱり漫画。隠密剣士そして伊賀の影丸やサスケ、ワタリ、など多くの作品にのめり込み夢中で読みあさった。とくにサスケやワタリの原作者・白土三平ものは術や道具の解説が細かく記され、実際に出来る者なのかと試したものもある。今思えばよく生きていたものだ・・・。白土先生の作品は当時の歴史をしっかり文献にて調べ、かなりリアリティである。いずれにしろ鍛え抜かれた技を駆使して、戦国の時代を影に徹して生き抜いた姿には強く引かれる。番外では吉田竜夫の「忍者部隊・月光」がある。漫画とTVは時代背景がちがっていたが、こちらも小学生当時のめり込んでまねをしていたことが懐かしい。
さて、“忍びの国”の話をしましょう。時代劇がまた少し映画界のもどりつつあることは嬉しいかぎり。その中でも忍者といえば、ヒーローの代表。猿飛佐助や霧隠才蔵などがその代表格。市川雷蔵さんの“忍びの者”は今観てもカッコいい。今回の主人公無門を演じているのは、ご存知「嵐」の大野智くん。くんはもうない歳ですか???とても起用なひとということは、前から知っていましたが見事な殺陣をしっかりとやってのけ感動しました。カメラの早回しなどを入れていたとしても、あの迫力はなかなか出せるものではありません。そうとう稽古を重ねたのだろうと思います。ケガのひとつふたつはあったに違いありません。ご苦労様でした。伊賀一番の忍者というその男は、すべて金で動く感情を表に出さない誰もが認める忍者である。ひょうひょうとしていて、まるで楽しむかのように命のやりとりを平然とこなす。ただピュアなところもあり、女房のお国(石原さとみ)にぞっこんで頭があがらない。そんな男が命の大切さに気づいた時の生きざまが、「天正伊賀の乱」織田軍と伊賀との闘いを軸に展開する。殺伐とならないような演出は、今風といえば今風。ちょっとチャライところはあるが、どこか憎めないそして喰えない男を大野くんは見事演じきりました。表の顔と裏の顔が交互に現れ、最後に複雑な生い立ちが浮かび上がる。お国とのラストはグッときます。怪物ランドのような個性豊かな俳優さんたちが、まわりを取り囲む中ちっとも負けてない大野くんに拍手です。怪物くんはやっぱり怪物です。鈴木亮平(下山平兵衛)や伊勢谷友祐(日置大膳)との、殺陣シーンは迫力満点で、この二人の役へののめり込みも半端なくカッコ良かったです。これぞ男でしょう。30度を超える暑い毎日に、スカッとしたい人は劇場に足を運びましょう。
P.S. 武将たちが身に纏う、甲冑がとても美しくこれも日本が誇る伝統のなせる技。ひとつ欲しいなぁ~~~。だれかくれませんか?