2017.6.13
久しぶりの邦画鑑賞。観たいと思う映画がなく、やっと見つけた作品。この作品の元ネタは韓国映画だそうで、昨今はやりの逆バージョンといったところ・・・。サスペンス&スリラーのエンターテイメント作品は、現実ではありえない内容の展開が繰り広げられ映画の娯楽性を追求しています。とくに最近よく話題になる、メディアの在り方にメスを入れているところが興味をそそる。さすがにここまで堕落はしていないと思うが、報道の自由と権利とは・・・?と一石を投じています。物語は22年前に起きた連続猟奇殺人事件の犯人が、時効となった翌日にマスコミの前に名乗り出るという、まさにありえないスタート。ただ見終わると、こんな時代が来てしまったらと不安にもなる。人間の知りたいと思う欲望は、残酷で無限だからである。個人的な感想は、疲れたと言うのが本音。全体的に重たいテーマの上、出ている俳優さんたちの過剰気味の演技が応える。ここのところどうも、やや重い作品ばかりに当たってしまう。嫌いではないのだが、続くと年なのできついのである。
W主演と銘打った作品の主人公を演じるのが、藤原竜也くんと伊藤英明さん。藤原君はかの蜷川さんに可愛がられ評価の高い俳優。そしてかたや「悪の教典」で強烈にやばい役を演じ、新たな領域に入った伊藤英明。藤原くんはいままでも、数多く個性的な役をこなして来たのでとくに驚くこともなく、伊藤さんもがっぷり四つの演技。この映画に疲れたのは、テーマを強調するためなのかオーバーな演技が多くお腹いっぱいになってしまったこと。まるで舞台を観ているようで、嘘くさいのが原因。ラストもなんだ救われず虚しい。こんなに絶望感を味わったのは久しぶり。とは言えこれはだめだしではなく、むしろこんなにいやな後味を感じさせられたのは、作り手の術中にはまったのかも・・・。音楽がラストに流れるのだが、タイトルが「疑問擬答」。なるほど・・・と思った瞬間、頭の中で「自問自答」していたわたし。
※作品に嫌悪感を感じたのは、内容だけではなく時折使われる嫌な感じの効果音。イライラ感や圧迫感を増幅させる演出は、作品のテーマをより強調し耳に残る。出来ればあまり聞きたくない音である。