2017.5.12
またまた午前十時の映画祭にやって来ました。今日で最後の上映となる“ショーシャンクの空に”、駆け込みセーフ。この作品もDVDでは観たのだが、もう一度スクリーンを通し感動をと出かけた。午前十時の映画祭は2度目ですが、はまりそうでコワイ。名作と呼ばれる作品は、それだけの価値があると改めて実感するひととき。
“ショーシャンクの空に”は、1994年公開の作品で、もう23年もの刻がたっている。スティーブン・キングの傑作「刑務所のリタ・ヘイワース」をフランク・ダラボンが初監督した作品。その年のアカデミー賞7部門にノミネートされ話題になった。スティーブン・キングと言えばモダン・ホラーの第一人者。モダンが前につくところが、他の作家とはちがうところ・・・。ただ怖がらせる内容とは異なる、独特の世界観で日常におこる些細な恐怖感を見事に描写し読者を震わせる。わたしも大好きな作家さんです。彼の凄さはホラーに留まらない、ふり幅の凄さにある。繊細で緻密な描写で日常の中の「ちょっとした不思議」を見事に紡ぎ出す才能はピカいち。例えばスタンド・バイ・ミーやグリーン・マイルなどは誰もが知る名作。ホラー作品もキャリーにはじまり、シャイニング、デッド・ゾーン、ペット・セメタリー、ミザリーとあげたら切りがない。そのほとんどが映画化され、高く評価されている。映像化するには、最高の原石であることはみな解っているのだろう。原作は別にしても、映画化されたほとんどの作品をわたしは観ている大のキングファンである。どんな監督が創ったにしても、キングの名を観た瞬間に絶対に観るというスイッチがONに入る。
さて、“ショーシャンクの空に”、何度観ても感動するのは名作たる所以。無実の罪で終身刑を言い渡された男の、絶望の淵から這い上がる希望の物語。刑務所を舞台にした作品は以外と多い。キングの名作“グリーン・マイル”もそのひとつ。キング作品ではないがわたしの一押し映画に“ミッドナイト・エクスプレス”がある。これもお薦めの作品です。
アンディ役のティム・ロビンスが、繊細だが強い信念を持つ男を見事に演じて共感を呼ぶ。もうひとりの主人公と言っていいのが、いまや名優の名をほしいままにしているレッド役のモーガン・フリーマン。この作品でも、アンディにそっと寄り添う投獄員を演じこころに沁みる。ラストシーンに続く、約束の大木の根元ある石の下で見つけたアンディから手紙。メッセージを読んだ時の希望に満ちた表情は、涙を誘います。
最後にアンディの名言をひとつ。「頑張って生きるか、頑張って死ぬかだ・・・。」どんな状況であれ、希望を忘れないことだという強いメッセージが込められています。ラストの紺碧の海の色、一生忘れません。
P.S. 独房に飾られた女優さんのポスターが印象に残ります。はじめは「リタ・ヘイワース」。次が「マリリン・モンロー」。ここまではアリ線。最後の「ラクウェル・ウエルチ」を持って来るあたりが溜まりません。(微笑)。わたしも中学生の多感な頃にお世話になりました。いまでもブロマイド沢山持っています。ワイルドな女優さんですが、「ミクロの決死圏」では知的な部分を覗かせています。これもSFの名作です。