

2017.4.14
チャン・イーモウ監督が手がけた、アクションエンターティメント作品“グレート・ウォール”を鑑賞。中国はもちろん世界屈指の名監督がハリウッドと組んで創り上げた作品は、いまだ謎の多い世界的建造物をテーマにしたスペクタクル巨編。
イーモウ監督と言えば振り幅が広く、地味なテーマで庶民の生活をヒューマンに表現したかと思えば、豪華絢爛の様式美を贅沢に使い中国の歴史を紐解いたりと、その巧みな表現は世界でも高く評価されています。個人的には、地味な作品の方が好みなわたし。いちばん好きな作品はと言えば“初恋のきた道”。この作品でチャン・ツィイーの大ファンになりました。他にも佳作ばかりで、はずれはほとんど見当たりません。ベルリン・カンヌ・ヴェネツィアなど名だたる映画賞をすべて手にしていることをみれば、その評価は実証済み。記憶に新しいのは、北京オリンピックの開会式・閉会式の演出を担当し、CGを駆使したその表現は世界をあっと驚かせ忘れられないものとなりました。
監督作品の中に武侠作品がありますが、今回の“グレート・ウォール”はそのテイストをベースに、モンスターとひととの戦いを万里の長城を舞台にど派手に描いた超娯楽作品。監督がいつも拘る美術や衣装など、それだけでも充分堪能できます。物語は奇想天外、荒唐無稽のお話ですが、いまだ謎多きその建造物をモチーフにした発想は少年のこころをくすぐります。マッド・デイモンというハリウッドスターを招いての展開は、商業的な臭いもしますが面白ければ観客は文句ありません。“HERO”の持つ義侠の世界は健在で、きっと日本人のハートに響くことは間違いありません。わたしは大好きです。時代を表す武具や武器にも強くひかれるのは、わたしが変わり者だから???敵を迎え撃つ軍隊の5つに色分けされた、甲冑は格好良くまた、頂上に仕掛けられた戦闘用の仕組みなど男の子たちにはたまりません。そしてジン・ティエン(景胡)演じた鶴軍女司令官リン・メイが、凜としていてほんと格好良かったです。歌手でもあり中国では若手の注目株だそうです。“キングコング”にも出演していましたが、日本でもブレイクしそう・・・。歴史建造物にスポットを当てた監督の豊かな独創性と、ハリウッドの技術力が加わったスペクタルアクション映画は王道の娯楽作品にしあがりました。3Dで観るならこう言う作品を選びましょう。