

2017.4.07
待ちに待った“ゴースト・イ・ザ・シェル”を鑑賞して来ました。コアなファンが待っていたこの作品。原作は日本の漫画作品で、作者は士郎正宗氏。この作品は「攻殻機動隊」として広く知られ、さまざまなクリエーターによりアニメ化されています。特に押井守監督が手がけた作品は、日本にみならず海外でも高い評価を受け多くの作品に影響を与えていることは事実。そのひとつが“マトリックス”である。たしかに類似点が多いのは間違いありません。この作品は、ディープなファンが多いことで知られかなりオタク好みの物語。きっとそんな人たちが集まると、話は尽きないのではないでしょうが?わたしも山ほど話したいところでではありますが、ぐっと抑え今回の実写版についてのみ話をしたいと思います。
アニメ化は何度のされて来ましたが、実写化ははじめて・・・。SF作品というジャンルの中、近未来を想定した架空の世界を描いています。そのためいままでに映像化された作品は、監督により時代設定や主人公草薙素子のキャラやストーリーの相違点が多くあります。軸はぶれていませんが、そのつど関わったクリエーターたちの強い個性により、独自の解釈と展開が生まれある意味別の作品として世に出ています。と言う事で、この実写版も別物と考えたほうがいいと思います。そうでないと、コアなファンたちは「朝まで生TV」状態の終わりなき話になってしまうでしょう。
映画の話と思えば、結局こうやって話が横にいってしまうのは悪い癖。戻しましょう。さて、まずよくぞ実写化に挑んでくださいましたと言っておきましょう。なかなか込み入ったストーリーですので、その部分を大切にしながらどうやって視覚効果に繋げリアリティを作り上げるのか、とても興味深く拝見しました。ハリウッドの手にかかればと言ったところでしょうが、CGやVFX、ワイヤーアクションとあらゆる技術を駆使して創ったアクションシーンは流石の花マル。ただ技術はすでに最近のどの作品を観てもかなりレベルが高く、そこはもう基準枠。やはりファンは原作の世界観がどこまで、表現されるのかを楽しみにしているはず・・・。わたしの大好きなSF作品に、“ブレード・ランナー”があります。この作品には近未来の裏側にある、さまざまな暗躍や冒涜と言った人間の過ちを折り込み考えさせられます。人間が科学の発展を追求するあまり、犯してはいけない領域にまで一歩足を踏み入れてしまうと言った悲壮感が描かれ強く印象に残りました。題材としては同じ匂いの“ゴースト・イ・ザ・シェル”ですが、どうでしょう?わたしの中では少し物足りなさが残ってしまいました。ちょっと格好良過ぎ・・・。これは様々な意見に別れるところかも知れません。主人公素子を演じたスカーレット・ヨハンソンは、相変わらずキレッキレッの格好良さでファンを多いに楽しませてくれます。彼女が何故キャスティングされたのかは、見終わったあと納得しました。原作はもちろん日本人なので、はじめは潜入感のため違和感がありました。が冒頭述べたように新しい作品としてみれば、ぜんぜん問題ないのです。むしろ彼女以外のキャスティグは難しいかも知れません。みなさん他に候補をあげられますか???美しい顔立ちといい、存在感といい、もうひとつ言わせてもらえるなら、ある意味アンドロイイドぽっくありませんか?これは褒め言葉ですので、誤解のなきよう。今回は彼女を中心としたストーリー展開でしたが、所属する「公安9課」にももう少しスポットを当ててくれたら嬉しかったです。欲張りですみません。素子の母を演じた桃井かおりさんが、とても光っていました。流暢な英語を駆使し、ジンワリ涙を誘います。地味な演出ですが、作品に厚みを加えた熱演ではないでしょうか?ファンのみなさん、まずは劇場に足をその目で体感しましょう。よろしければ、それから意見を聞かせてください。