

2017.2.20
よもやまシネマを投稿するようになり、記念すべき300回目を迎える事になりました。記念なんて大げさですが、ひとつの区切りを迎え自分としてはちょっと嬉しいのと、これからどのくらいの映画と出会えるのだろうか?とひとり感慨に耽っております。2007年の10月に第一回目を投稿し丁度10年。あっと言う間のような感じがいたします。一回目は大好きなジュディ・フォスター主演の“THE BRAVE ONE”でしたが昨日のような気がします。10年で300本は微妙な数字。小学生の頃観た「ゴジラ」映画は置いておき、姉につれられはじめて観た洋画は“マイフェア・レディ”。いまでもしっかりとこころに残っています。ここからわたしの映画好きがスタートしました。わたしの宝物(映画パンフ)は現在数千になり、専用の本棚に大切に保管されています。他にも映画チケットの半券やチラシなど部屋を埋め尽くし、妻から死んだら捨てると言われております。ですので整理をし、ちゃんと残すマニュアルを作っております。まだ、当分死にませんが・・・。それにまだまだ、いっぱい映画が観たいので・・・。あと40年くらい頑張りたいと思います。
さて、今日観た記念作品は “愚行録”。いろいろ迷ったあげくチョイスしました。メチャクチャ重たい作品でしたが、しっかりとこころに残る作品となりました。一年前に起きたある殺人事件を追う、雑誌記者の憂いに満ちた横顔からはじまるこの映画。重たい音楽と雨に打たれ雫がつたうバスの車窓。これからはじまる人間模様を暗示するかのようで、何かこころがざわめきます。あまり救われない内容で、何か得体のしれない呪縛みたいなものさえ感じる。何気なく生きている日常の中で、こうも人はいろいろな事に翻弄され身勝手に生きているのかと疑心暗鬼に誘われます。自分の中にもあるものなのかと思った瞬間身震いし、それを振り切ろうとするもうひとりの自分がいる。物語に出て来るひとたちは一見普通ですが、こんなにも色々考え(関わり)生きているのだと思った瞬間「めんどくせ~っ!!」ってこころが叫んだ。生き方が単純な自分だから、そう感じたのかも知れません。内容はいつもどおりお話しませんが、観ればいろいろ考えさせられる作品だと思います。人の不の部分に触れるので、自分を見直す機会になるかも・・・。だれでも一度や二度は、きっとだれか無意識に傷つけていることを思い知らされます。しっかりと受けとめようと思います。
P.S. 出ている役者さんたちが、みな渾身の演技で人間の中に潜むエゴを嫌ってほど見せてくれました。拍手です。主人公の二人、妻夫木聡くんと満島ひかりさんは凄過ぎて称賛の言葉すらみつかりません。ふたりとも誰もがみとめる演技派俳優。このふたりでしか、出来なかった映画だとわたしは思います。妻夫木くんは最近いいひと(優等生)の殻を破り、完全な演技派男優さんになりました。“怒り”“ミュージアム”とずっと観てますが、絶好調です。満島ひかりさんは、わたしの中ではいま日本で一番うまい女優さんだと思います。どんな役でも自分のものにしてしまう、凄さは追随を許しません。今回も薄幸で危うい女性を実に見事に演じ、「神様許して!!」と願ってしまう馬鹿なわたし。これからどれだけわたしたちのこころを揺さぶってくれるのでしょうか?はじめに言いましたが重たいです。救われません。でも、考えさせられる機会をくれる作品です。