

2017.1.30
その昔、アメリカ映画と言えば西部劇がハリウッドの代名詞だった頃。その中に登場するガンマンは少年たちの憧れでした。近年SFやアクション作品に押され、窓際に追われてしまった西部劇。全盛期にはイタリアで創られ、マカロニウェスタンとしても多くの名作を残しました。そこで活躍したのが、いまや絶大の評価を受けているクリント・イーストウッド監督そのひと。逆輸入でアメリカに名をはせた監督は、その経験と西部劇への強い念いから“許されざる者”を創り上げ西部劇の復活をアピールしたのは1992年のこと。アカデミー賞など多くの賞に輝いたが、西部劇の復活とはいかずイーストウッド自ら「最後の西部劇」と言わしめた。
それから24年。伝説の西部劇がリメイクされ戻ってきました。原作は言わずと知れた黒澤明監督の“七人の侍”である。1954年わたしの生まれた年に公開された名作である。1960年に作品に惚れ込んだジョン・スタージェス監督がリメイクし、“荒野の七人”を発表しアメリカでも大ヒット。スタージェス監督は西部劇では名を知らないひとはいない名監督。“OK牧場の決闘”などが代表作である。また、“荒野の七人”は計4作創られ、差はあれどみなヒットしました。全部観ているわたしは、今でもこの作品の大ファン。原作に一貫した義の世界観は、日本人だけでなく人のこころを掴んで離さないテーマ。一作目の“荒野の七人”では多くの役者が、その後有名になったのは周知の事実。主役の二人以外にも、チャールズ・ブロンソン、ロバート・ボーン、ジェームズ・コバーンなどが脇をかため個性豊かに孤高のガンマンを演じて魅力的だったことが思い出されます。
さて、前おきが長くてすみません。今回の“マグニフィセント・セブン”も大好きになりました。きちっと“七人の侍”や歴代のシリーズに対するリスペクトが充分伝わってくる作品でした。軸はぶれてなく、それでいてちゃんとオリジナリティをしっかりと描いていたところも感激です。現代を象徴するような人種問題を意識してのことなのか、七人ともが皆違う多国籍のガンマン。一匹狼の孤高のガンマンたちが、正義(他人)のために命をかける。これぞ武士道ではないでしょうか?これだけで熱くなってしまいます。「平和のために心を繋ぐ」というテーマのこの作品、生意気ですがいま一番観て欲しいのは各国代表のみなさまです。
いままでのシリーズ作品でもカッコいいガンマンばかりでしたが、今回もみなカッコ良かったです。リーダーのチザムを演じたデンゼル・ワシントンはもちろんですが、ジョシュを演じたクリス・ブラッドが最高です。七人の中では一番チャライ感じなのですが、実は一番熱い男というのがたまりません。“ガーディアン・オブ・ギャラクシー”の2作目が近々に公開されますが、この作品も楽しみです。
また、全部のシリーズ作品を観たくなりました。みなさん、西部劇っていいですよ!!観に行きましょう。損はしませんから・・・。
※magnificentの意味/崇高な、壮大な