

2017.1.27
マーベル発の最新作 “ドクター・ストレンジ”を公開初日に観覧。クリストファー・ノーラン監督作品“インセプション”のイメージか頭に残っていて、今回の作品には強い興味を感じていたわたし。その時の映像表現は実にインパクトがあり、M.C.エッシャーの世界を見事に3D映像化して見せてくれました。あれから7年、ふたたびその感覚がさらに磨かれ帰ってきました。平面で表現されたエッシャーの絵ですら、次元を超越し観るものを異次元の世界へと誘う。それを映像化など出来るのか?と思っていたらそれをやってのけたクリエーター達にただ脱帽です。今回はそれだけでも充分すぎるほど観る価値がありますが、それおも上回るストーリーの面白さとキャラクターの個性に心は虜になりました。他のマーベルヒーロー達とは、一線をひいた感じのニューヒーローの登場に胸がときめいています。
さて、今回のニューヒーローは魔術という他のヒーローにはない別次元の能力で、これまた異次元の敵と闘うというストーリー展開。コミックならではに醍醐味を思う存分に表現に投影し、わたしたちを楽しませてくれます。これぞ娯楽!!理屈抜きに楽しめ夢世界へと、連れて行ってくれます。導入部では、現実の医療現場の緊張感がただようリアルな世界を描きこのまま進めば、ヒューマンドラマでも行けるそんな雰囲気。そこに突然おきた事故を境に急展開していく話の流れは、あっと言う間に物語の中に引きづり込まれます。少し神懸かりな話の中に武道などにも通ずる、精神性が描かれ個人的にはもの凄く興味を引かれました。主役のストレンジを人気俳優のカンパーバッチが演じているのも話題だが、出演者の豪華な事には驚かされる。エンシェント・ワン役のティルダ・ウィンストン(フィクサー)、モルド役のキウェテル・イジョフォー(それでも夜は明ける)、そして適役カエシリウスを演じるマッツ・ミケルセンとアカデミー賞でもお馴染みの俳優さんが勢揃い。それだけ中身も濃いいという証。観れば納得の1本です。先ほども言いましたが、映画の娯楽性はもちろんCGを駆使した映像表現などすべて一級品なのは間違いありません。でも私が一番引かれたのは、目では見えない気(霊的能力)の世界観。非現実でありながら、その存在を否定できない不思議な魅力に引かれてしまうわたし。
武の道を長く修行していると、多くはないが一瞬、不思議な感覚を覚える時があります。技を錬磨し追い詰め、その先にあるものを知りたいという自分がいます。この作品でわたしの中にある強さへの探究心がすこし刺激を受けてしまいました。
話を再び“ドクター・ストレンジ”の戻します。大好きなマーベルの世界ですが、この作品には強く引かれるものがあります。きっとシリーズ化されるのは間違いないのですが、他のキャラとの絡みで創った作品の時にどのようにその融合性を作り上げるのかがちょっと心配。面白ければそれでいいという人には無用な話ですが・・・。アベンジャーズのような作品に絡むのは、ちょっと違う感じだと個人的には思っています。いずれにしろこれからの展開に目が離せない、ニューヒーローの登場でした。